
こんな写真を公開したからといって、別に自分で勉強家だなんて見栄を張るつもりは一切ない。これらは書店経営時代に付き合いで購入したものばかりである。
と言うのも、一時期、大型机上国語辞典の出版ブームというものがあった。広辞苑の岩波書店をはじめ、三省堂、小学館、講談社などが、次々と新しい辞典を刊行した。そして、書店間の競争を煽るように、販売コンクールを実施した。そういった事情もあって、各社から出るたびに買いそろえていた物だ。
もっとも、そもそも辞典を引くのは、子どもの頃から好きな方だった。眼を閉じて、パッと開いて、その見開きの両ページの中にいくつ知っている単語があるか、なんて一人遊びをしていたこともある。だから、買っておいても損はないものと考えていた。
ところが、実際には、こんな重い物を書棚から引き出さなければならないことなんて滅多にない。大概は、ポケット版の辞典で用が足りる。まして昨今は、不本意ながら、インターネットやらでスマホを使って、意味でも語原でも調べることができる世の中になった。
さてここからは、先日来取り組んでいる”断捨離”の話である。今日は、これらの辞典をどうしようかと悩んだ。
出来れば残しておきたい。でもそれだと片付かない。弘前読書人倶楽部に寄贈しようにも、既に机上辞典は何冊かある。
ブックオフに持って行ったって二束三文だ。本の価値をわからない人には売りたくない。かといって、燃えるゴミの日に出すのは、もっと忍びない。
かつては、中国に日本の国語辞典を送るという活動をしていたグループがあった。今はどうなんだろう? いや仮にまだあったとしても、反日の国には送りたくない。どうで送るなら、親日国家の教育の役に立つようなことをしたい。
そこで、このブログの読者の皆様へ相談したい。これらの辞典の、いい嫁ぎ先をご存じないだろうか? 不特定多数の公共の利益に供するような使われ方をするのであれば、勿論無償でもいい。ただ、個人で引き取りたいというのであれば、申し訳ないが、定価の2割程度はいただけないものだろうか?
勿論、懐に入れようなどとは微塵も考えていない。読書人クラブの運営費の一部として、買っていただいた代金は大切に使わせていただきたいと思う。
いずれにしても、国語辞典の有効なリサイクル方策につ有益な有益な情報、面白いアイディアを持った方がいらっしゃれば、是非お知らせ願いたいと、切にお願いする次第なのである。よろしくお願いします。(3870)
便利なところと言えば、どこにでも持ち歩けることでしょうね。大型辞典は持ち歩きができないので。
オックスフォード大学出版局が出版しているクラシック音楽関係の最大級の辞典である「グローヴ音楽辞典」は、以前は紙版が数十年に1度位改訂されていましたが、最近は電子版のみとなり、そのかわり、新しい情報があると随時新情報が追記されると言う体制になっています。
あまり内容が変化しない国語辞典などであれば紙の辞書の見やすさにはかないませんけれど、百科事典などのように日々更新が必要な内容ならこれも便利です。
一方で、昔の百科事典などから当時の社会や芸術に対する見方を調査する、と言う研究の存在を知っている者としては、現在の社会を仮に300年後の人が後から調べる、となった時、紙の辞書が残っていなくてわからない、と言うこともあるのかな?と危惧したりします。