僕はこれまで議会において、市長提出議案に対し、反対をしたこともあるし、修正案を出したこともある。何でもかんでも賛成するのが市長を支えることだとは、決して思わないからだ。
 あくまで立場は是々非々。駄目なものにははっきりと”No"と言うし、いいものは素直に評価をする。評価するだけではなく、自らも参画したことだって一つや二つではない。
 そんな僕が、今のSa市長の数ある施策の中で、最も高く評価しているのが「ひろさき未来創生塾」だ。これは、まちづくりの当事者となる若者を育成しようという目的で始められた。
 塾のカリキュラム(?)は2年間。最初の年は、やりたいことを見つけて、企画書を作成したり試験的にプレイベントを行ったりする。2年目から本格的にその事業を実施する、といったもののようだ。昨年度からは、第2期生が学んでいる。
 塾今日は、その中間報告会が行われた。どんな人が、どんな事を学んでいるのか、どんなことを考えているのか興味があったので、担当課長に頼み込んで参観させていただいた。
 塾生は5人。一期目の半分である。これはちょっと寂しい気もするが、コロナ禍ということも考えれば致し方ないのかもしれない。
 内一人は既に退塾し、残る4人のうち2人は所用で欠席とのこと。で、今日の報告会では2名の塾生が、自分で考えた企画を発表した。
 発表順とは異なるが、一人は、6月11日を皮切りに、年に3回、防災ワークショップを実施する。段ボールベッドを自分で作ったり、緊急時に役立つロープの結び方を習ったり、瓦礫の中を歩いたり、避難所のスペースを実体験したりするといった盛り沢山の内容だ。その中で、家族や近所の人、あるいは見知らぬ人同士が助け合って生きていくことを学んでもらおうという趣旨のように感じた。
 もう一人は、”食育”を自ら野菜を作ることから考えようといった内容の事業を企画した。実際に、農家の方と一緒に、種から野菜を育てることで、”食育”だけではなく、”生命”とは何かを考えるきっかけにしたいという意気込みを感じた。
 その説明の中で、人参の花の写真が、スクリーンに映し出された。「だいこんの花」だったら、大昔にそういうタイトルのテレビドラマがあったが、”人参の花”というのは、恥ずかしながら、僕は初めてみた。花があって種が出来るから実がなるのであって、当り前と言えば当り前の話なのかもしれない。が、植物栽培とは全く無縁の僕には、一種の驚きでもあった。
 考えてみれば、野菜に限らず、万物は”種”から生まれているといってもいい。工業製品だって、最初は、「こういうものがあれば便利だな」といったちょっとしたアイディアの”種”がその始まりだったに違いない。
 まちづくりだってそうだ。塾生の企画が種となって、やがて弘前の街に、コミュニティーや文化や賑わいや安心・安心や、健康・長寿といった、大きな実が結ぶことを期待したい。
 そういうことを考えながら僕は、コンビニで買った「大粒の柿の種」を頬張っている。(6743)