令和4年第3回弘前市議会の予算決算常任委員会は、今日が3日目。令和3年度決算第7款の審査で、僕は質問に立った。コロナウィルス感染症に苦しむ事業者に対する経済対策のことだ。
 弘前市は、一昨年から、大小様々の切れ目ない経済対策を実施している。昨年度も、決算説明書に詳細が記されているものだけでも6つの支援・協力事業が行われた。そのことには感謝もしているし、商工担当者のご労苦には、いつだって敬意を表したいと思ってきた。
 ただ、決算書並びに説明書をつぶさに見ていたら、一つ疑問が湧いてきた。数ある事業の中で、「弘前事業復活支援金」と「飲食業等営業時間短縮要請協力金」だけが、事務作業が外部に委託されていたのだ。
 まず、その理由を尋ねた。「急を要したため」「市役所ではマンパワーが不足するから」といった答えが返ってきた。
 次に委託先のことだ。EGといどちらも東京に本社を置く企業に委託されている。そこを随意契約で選んだという。
 随意契約については、昨日、2款総務費のところで確認した。業務委託契約の場合、予定価格が50万円を超えるものは、原則として入札で決めることになっている。ただし、ガイドラインがあって、”その事業者でなければ遂行できないような場合”には随契が認められているとのことだった。  
 今回のケースはどうだったのか。「他の同様の業務の実績があったから」という答弁だった。
 実績・・・? SG社のホームページを見れば、設立が2021年12月1日となっている。上記の二つの支援制度がスタートしたのは2022年2月と3月だ。そのわずか3ヶ月程度で、どんな実績があったというのか? 
 つけ加えて言えば、弘前市と立地協定を結んだのは、会社設立前の2021年8月24日のことだ。どうにも不可思議な話である。
 「急ぐ必要があったから」と随契で外部委託したにも拘わらず、この2つの支援金は、支給が遅れに遅れた。僕のところへも、問い合わせや苦情が多数送られてきた。6月の一般質問でも指摘したが、3月下旬に申請した九行協力金が振り込まれたのは5月下旬、それも末日に近い頃だったという事業者もいる。
 今日の質疑応答を聞いていて、その遅れの原因がわかったような気がした。
 まず、二つの性質や手続きの異なる支援金業務を、同時期に一つの事業者に委託したことである。何であれ、二つの仕事を同時進行するのが難しいことくらいは、素人にもわかりそうなものだ。
 さらに、申請受付はSG社。申請書類の不備等を申請者に連絡するのは弘前市(その連絡がつかないというのが遅くなった理由だと、6月議会では言っていた)。そして書類が揃ったことを精査するのがSG社で、実際に支給業務を行うのは弘前市・・・といった二重構造になっていたとのことだ。受付から支給までの流れが中断されている。これでは遅くなって当り前だと批判されても仕方がない。
 そういったことも含めて、僕は、この業務委託契約に理解しがたいものを感じた。そこで敢えて質問した。誘致に際して、何か事前の取り決めや約束があったんではないかと。そうしたら、部長以下全員が首を横に振っていた。
 ”有ったこと”、”有ること”を証明することはできる。でも、”無かったこと”、”無いこと”を証明するのは難しい。「悪魔の証明」と言われる所以だ。(4358)