弘前ペンクラブが指定管理をしている”太宰治まなびの家"は、不特定多数の人に開放している施設である。県内外からお客様が訪れてくれている。もし、万が一の災害の場合でも、来館者の生命を守らなければならない。
 そしてまた、”太宰治まなびの家”は、弘前市の文化財でもある。大正時代の住宅様式をそのまま残しているという理由で指定されている。だから、管理者として、その貴重な建物を守らなければならないという使命もある。
 ・・・といった崇高(?)な目的を持って、年に一度の消防訓練を行なった。
 訓練は、大きく3つに分かれる。
 一つは、通報通報訓練。火災が発生したら、まず消防署に連絡をする。ダイヤル119を回す(死語?)なんてことは小学生でも知っている。だけど、今日のような訓練の場合は、最初に「訓練!」と告げなければならない。そうでなければ、本当に消防車が出動してしまうこともあるのだそうだ。そんなことも、何年かか訓練を繰り返しているうちに学んだ。
 避難・誘導訓練も行なった。1階座敷中央に置いているストーブから引火したという想定で、参加者は、出火場所に出来るだけ近寄らないように、建物の外に出るという訓練だ。本来であれば、道路を挟んで反対側にある偕行社前まで避難する計画だったが、今日は雪も多く寒かったので、玄関前までで終えた。
 最後は消火訓練である。皆で、消火器の設置場所と使い方を確認した。
 実のところ僕は、こういった模擬訓練には、多少懐疑的なのである。実際に火災が発生した場合に、人間というものは、このように計画通りに動くことができるものなのだろうか? 訓練に限らず、マニュアルありきの行動は、どうにも嘘くさくてならない。
 ということを、訓練終了後の会議の中で発言したら、ある会員が、「でも、こうして毎年やっているから、いざという時に何をすればいいのかが、自然と身につくのではないか」と言った。つまり、繰り返し訓練することで、如何に行動するべきかが脳内に刷り込まれるという趣旨のようだ。なるほど。それはそうだ。習慣に勝る記憶は無い。
 ということは、わざわざ大学受験のために”現代国語”なんて勉強しなくたって、日頃から本を読んでいれば、自ずと読解力が備わって、いい点数をとれるということにもつながるのではないか。
 そこまで言ってしまえば、いささか我田引水が過ぎるのかもしれないが、今日の午前中、街の中に、子どものための読書空間を創りたいとう相談を受けたためか、ついそんなことを考えた次第なのである。(6236)