Ka君は、去年大学を卒業したばかりの若者である。卒論で弘前の本屋の歴史について採り上げた。僕のところへも取材に来てくれた。それ以来の付き合いである。
 実は、弘前読書人倶楽部の2月ブックトークの講師を依頼していた。昨年の11月に、レンガ倉庫美術館主催の「本屋サミット」の際にである。 快くお引き受けいただいたと思っている。  
 が、それからもう2ヶ月以上経っている。改めて、日時等を確認しようと、彼が現在働いているという「久渡寺のラーメン屋さん」へ車を走らせた。ついでだから、昼飯もそこで摂ろうと思って行った。  
 久渡寺は、弘前の南西部、市街地から比べれば標高の高い場所にある。それなりに雪も多い。大型車が来れば、すれ違うのに苦労する箇所もある。
 そんな中を、大体20分くらいだろうか、訪ねていったのだが、あいにくシャッターが閉まっていた。徒労感と空腹感を抱きながら、来た道を、そのまま帰ってきた。昼食は1時近くなってから。茂森のTa食堂で、味噌ラーメンをすすった。
 午後3時からは、同僚議員の一人と待ち合わせた。別に密談をしようとしたわけではないが、ゆっくり話ができる場所として、追手門広場にあるカフェを指定した。僕は、これまでも、議員同士の情報交換に、ここを使っている。  
 ところが、ここも休んでいた。相手は入り口で待っていてくれてたので、そのまま、市役所脇のスターバックスに行った。密談も何もあったものじゃない。
 極めつけは夜だ。某先輩と百石町の居酒屋で飲む予定だった。料金も手頃だし、椅子テーブルの個室もあるので、僕は個人的には気に入っている。  
 その前の打ち合わせが終わって、時間ぎりぎりに、その店に向かおうとした時だ。先輩から電話が入った。「あの店、休みだよ」
 これまた次善の策として、近所の別の居酒屋に入った。ここはカウンター以外は、膝を折らなければならない。半月板の無い僕にとって、正座であろうと胡座であろうと、拷問に近い苦痛なのである。でもまぁ、店主の計らいで、折りたたみ式の小さな椅子を出していただいた。お陰で、じっくりと飲むことができた。
 と、今日は、3回も目当ての店にふられてしまった。いかに女性からはふられ慣れている僕とは言え、少々気分が萎えてしまったことは、ここだけの事実である。(13140)

 追伸
 「ふられてBANZAI」はマッチ(近藤真彦)のヒット曲である。以前はカラオケでよく歌ったものだった。最近は、「ギンギラギンにさりげなく」一本だ。