青森県議会議員選挙に立候補を予定している僕にとって、市議会では最後となる予算審査が終わった。4日目の予算決算常任委員会が終了したのは午前11時。近年では異例のスピードだった。
これと言った争点がなかったためか、あるいは、選挙が近いので各議員とも気が急いているためか、質問が少なかった。質問の持ち時間は、一人当り35分を、人数に応じて会派に割り当てられている。6人の会派であれば210分、3人の会派であれば105分といった案配だ。会派内であれば、それをどの議員がどのように使ってもいい。無所属議員は一人35分そのままである。
今議会はK産党と無所属の一人を除いて、どの会派も大幅にその時間を余した。半分も使わなかった会派もある。
かく言う我が「会派さくら未来」も15分ほど時間を残したままだった。消化率は85%くらいとなる。僕自身、3日目に3回質問に立っただけで終わってしまった。最後に涙で熱弁を振るおうかとも考えていたのだが、考えすぎたのか、掉尾を飾るのに相応しい質問がみつからなかった。
ここで、16年間32回の予算・決算委員会に出てきた率直な感想を述べてみよう。正直言って、これぞ予算・決算審査といった質問が少ない。
”これぞ予算・決算審査というような質問”とはつまり、予算や決算全体を俯瞰した質疑である。以前にも述べたが、おおかたの質問は、一つ一つの事業ごとに、「事業の概要は何ですか?」「詳しい内容を教えて下さい」といったもので、まさしく「木を見て森を見ず」というような物だ。僕はそれにずーっと物足りなさを感じてきた。
概要や詳細であれば、事前に資料請求をすればいいし、担当課に言って直接尋ねればいい。もっとも、個別事業として予算を執行する際への要望であれば、それをもっと強く打ち出すのは有りかとも思う。
僕自身は、予算委員会という公開の場で議論をするのであれば、もっと大局的な質問をしたい。そう思って、これまでは、例えば、投資的経費の割合が減少傾向にあることや、基金の運用、市債の借入先の選定、経常収支比率の増減等についても質してきた。
このような考え方を持っている議員は、実際にそういった視点で質問をしている議員は、今のところ極めて少数派のようだ。が、これからの若い議員には、個別事業費以外にも目を向けてもらいたいと願う。
直接有権者の皆さんの目に触れる機会はないとは思うが、首都圏や関西圏では、実に様々な、地方議員向け研修が、毎週のように開催されている。「予算審査のポイント」とか「決算書の見方」みたいな研修もある。
僕は、議員初当選の秋に、東京で行なわれた財政の勉強会に、2度ほど参加してきた。生活保護についての研修会や、議会改革についてのシンポジウムにも行った。全部自腹だった。
今は、政務活動費を使うこともできる。せっかくのこの制度を、是非有効に使ってもらいたいというのが、最後の予算審査を終えた僕の、後輩議員やこれから議員を志す人たちへの”贈る言葉”と思っていただければと思う。
・・・って、議員のうちの何人が果たしてこのブログを読んでいるのだろうか?(5242)