先週に引き続き、今日もリンゴ園でのお手伝い。明け方までは雨。午前中も時折小雨のちらつく中で、ひたすらリンゴをもいだ。
 実のところ、当初の予定では先週の水曜日と木曜日だけのはずであった。金土日月と、太宰治まなびの家やらペンクラブやら、町会やら保護猫の会やら、弥生ネットやら、ばたばたと会議や行事が続くので、木曜日には、お礼とお別れの挨拶をしてきた。
 「お世話になりました。有り難うございました」と、それだけで終わっておけばよかったものを、生来のお調子者の僕は、「もし手が足りないことがあったら、来週の火曜日は、時間が空いてますから」なんてことを付け加えてしまった。でも、その時、リーダーは、「多分、それまでには終わっているでしょう」と言ってくれた。
 ところが土曜日に「火曜日、来てくれませんか」とLineが入った。僕も、約束通り、今日の日程は空けておいていたし、日頃からお世話になっているリーダーからの依頼なので、喜んで出かけた次第だ。
 話を聞くと、金曜日からの天候の悪化や気温の低下で、作業が捗らなかったらしい。昨日などは、園地に雪が降ったそうだ。市中心部も、確かに寒いことは寒かったが、少なくとも僕の行動範囲では雪までは降らなかった。園地は、我が家から車で20分足らずの場所にあるのだが、同じ弘前市でも、随分と違うものだと改めて思い知らされた。
 行く途中の,他所のリンゴ畑では、もう収穫は終わっているようだ。実のなっていないリンゴの木が、果てしなく連なっている。
 そんな中で、僕らの園地だけは、まだ何本も実の付いた木が残っていた。何でも、園主が長期入院したりして、作業が後手に回ったのではないかという話だ。僕は、他の用があったので午後4時で引き上げてきたが、ひょっとしたら今日中にも終われなかったかもしれない。
 とはいえ、さすがに、もう今年の僕の出番はなさそうだ。次に手伝えるとしたら金曜日だが、それまでには終わっていることだろう。
 わずか3日間だったが、貴重な体験をさせていただいた。基幹産業であるリンゴ栽培の課題をいくつか実感できたようにも思う。
 なんと言っても、鈍った身体が鍛えられた。先日も書いたが、籠を持つ左腕の筋肉はもとより、高い所になっているリンゴをもごうとして腕を精一杯伸ばすと、それは一種のストレッチ運動になる。梯子の登り降りは足腰の鍛錬になるし、最上段に足をかけての作業は、バランス感覚を養うことにつながりそうだ。
 それともう一つ、鍛えられた場所がある。頭だ。といっても勿論中身ではない。低く這ったリンゴの太い枝に、何度も何度も頭をぶつけた。細い枝も硬くて丈夫だ。よく上を見ないで梯子をしたときした時、頭頂部に突き刺さるような感触を憶えたことも、一度二度ではない。
 きっと、この3日間で、僕の頭は、ボボ・ブラジル大木金太郎並に硬くなっただろう。もし、この先またプロレスをやることになったら、頭突きを必殺技にしようかな。(6037)

 追伸
 ボボ・ブラジルや大木金太郎を知らない方へ。二人とも頭突きを得意とした昭和のプロレスラーです。ブラジルはココバットと言って、ジャンプして相手の脳天に頭突きを打ち込むのが必殺技でした。
一方、大木は、一本足原爆頭突きという技を切り札としていました。詳しくは、いずれゆっくり教えて差し上げたいと思います。