なまじ経歴書に「K大法学部卒」なんてことが書かれてあるからか、時おり法律相談を受けることがある。困ることも多い。何せ、いつも書いているように、僕の場合は、「A Ho学部」なのだ。 
 でも、生来のお調子者だ。困っている人から頼まれると、放っておけないのが、持って生まれた性分だ。
 出来るだけ話を聞く。それだけで解決する場合もある。解決できない場合は、論点を整理した上で、知己のある弁護士を紹介する。そうやってこれまで対応をしてきた。
 今日も、友人のM君を、日頃からお世話になっている弁護士事務所に紹介した。弁護士の知り合いは他にも何人かいるが、ここのところ、その先生を頼ることが多い。
 案件は、僕にもいささか関係のある話だ。他人事ではない。
 以前のブログにも書いたように、昨年の秋に、リンゴ園での収穫作業のアルバイトをした。今日の依頼者M君の紹介だ。  
 そもそも、M君が、あるリンゴ農家から、収穫一切を請け負った。M君は、作業員を集め(その中の一人が僕だった)、彼らにバイト代を約束して作業にあたった。
 ところが、作業が終わっても、その農家はM君に報酬を支払わない。催促すれば、「今は金が無い。〇月の〇日には金が入るから払う」と言う。でも、その日が来ても、一向に支払われない。挙句の果てに、「リンゴの売上代金が入ってきたら払う」と言っているようだ。
 ただ、今日、農業法人を経営している友人に訊いたら、リンゴの場合、出荷時に見做しで全体の半額くらいを貰い、6月頃に、最終的な売上精算金が入ってくるのだそうだ。つまり、今、貰えないということは、次には6月まで待たなくてはならないということだ。それだって、いくら入って、いくら支払って貰えるのかはわからない。
 そんなことで、M君は、秋に働いてくれた人たちへのバイト代もまだ払えていない。そればかりか、自分の生活も切り詰めているという。
 そこで、今日、どうしたら回収できるか? 訴訟を提起するにはどうすればいいか?等について、弁護士のアドバイスを受けることにした次第だ。
 それにしても、ひどい農家もあったものだ。取引とか契約といった概念が微塵もないのだろう。「金が無い」で済まされるとでも思っているのであろうか。
 別に、ここで農家全体を非難するつもりは毛頭ないが、自然災害に見舞われる度に、行政が手厚い補助をしてくれるのが農業だ。果樹共済の加入率も、収入保険の加入率も、驚くほど低いと聞いている。
 そこへいくと、僕ら商業者は、被災して売上が0になろうが赤字を出そうが、商品が台無しになろうが、自らかけていた保険金などを使って、自己負担で乗り切らなければならない。そんなことから、いまだに士農工商の格差があるのではと、矛盾を感じている人も少なくはない。
 そのような、金がなければ誰かが何とかしてくれるといった体質が、その農家に残っているとしたら、それは由々しき一大事だ。M君のためにも、M君に頼まれてバイトをした人のためにも、いい解決策があることを願うばかりだ。(4534)