今日も、映画の仕事を一段落させた後、図書館に籠って原稿と格闘していた。2階にある学習室という部屋だ。何かに集中したい場合は、時々利用させていただいている。
 以前使った時は、高校生で混みあっていて、空いている机を探すのが大変だったような記憶がある。が、昨日今日は、国立大学の前期試験や、県立高校の入試も近いというのにガラガラだった。今さら勉強しても遅いという諦めか。いやいや、そんなことを考えるのは僕くらいのものだろう。
 考えてみれば、今は、高校生が勉強することができるスポットが、けっこうあちこちにある。例えば、城東の総合学習センターや、土手町のまちなか情報センターでも、勉強している高校生もよくみかける。
 その上、弘前市では今年度「学びを応援! まちなかにぎわい創出実証実験」という事業を実施した。中心市街地の協力店舗に学習スペースを確保してもらい、学生がそこで自由に勉強することができるという試みだ。店舗による偏りはあったようだが、それでもそこそこの人数が利用したようだ。だから、何も図書館でなくてもよくなったのかもしれない。、
 今から50年前、僕らの時代は、家以外で勉強する場所は、図書館以外ほぼ無かった。それも、市民会館の前に建っていた旧図書館。風通しはいいが、冷房は無い。そんな環境でも、学生たちはよく通っていた。
 僕はといえば、そうしてまで勉強をしたくない生徒だったので滅多に行くことはなかった。が、一度だけ、通い詰めたことがある。
 あれは、2年生から3年生に進級する春休みだった。友人のA君が、急に「図書館に行かないかい」と誘ってきた。聞けば、学年のマドンナのような存在のIさんが、毎日図書館で勉強しているという。
 よし、ここはA君の恋の成就に付き合おう。運がよければ、図書館帰りに、どこかでお茶でも飲んで、もっと運がよければそこから交際が始まって・・・と、A君と二人して、下心満載で図書館通いを始めた。
 結果は、書かずともわかるだろう。結局、声をかけることもかけられることもなく春休みは終わった。僕は、その時、「枕草子」を持って行って古文の勉強をしていたはずなのだが、「春は曙」以外、ほとんど頭に入っていない。
 Iさんとは、高校卒業後に一回も会っていない。一度だけ電話で、妹さんの就職を頼まれたことがあったが、それに応えることができなかった。
 ああ、青春とはかくも儚く空しいものなのか。「青春の光と影」という名曲もあるが、僕らのあの年の春には”光”はなかった。"影"ばっかりだったような気がする。(6771)

 追伸
 今日のタイトル「青春の影」は、財津和夫率いるチューリップのヒット曲。そこで久々に、僕の好きな歌ベスト3、チューリップ編だ。
 第一位 サボテンの花
 第二位 虹とスニーカーの頃
 第三位 青春の影
 「心の旅」も「銀の指輪」も捨てがたいけれど・・・。