昨日に引き続き埼玉県にいる。昨日宿泊した北本市の隣の鴻巣市で法要は営まれた。
 場所は龍嶋山雲祥寺。室町時代から続く由緒あるお寺のようだ。
 広い関東平野の、民家もまばらな中に、ポツンと一軒家のように立っている。茂森にしろ新寺町にしろ、寺が軒を並べる光景に慣れている弘前生まれの僕には、何か新鮮な解放的な印象が感じられた。
 敷地が広いので、山門から本堂までの距離が長い。その脇が駐車スペースになっている。境内には鐘楼塔、十三重塔、永大供養塔もあり、鐘楼塔は県の重要文化財にも指定されている。同じ曹洞宗なのに、弘前の寺院とは全く違った趣があった。
 法要が終わったあとは、参列者で会食。それでもまだ時間に余裕があったので、娘夫婦に、ひなの里という観光施設を案内してもらった。
 恥ずかしながら僕は知らなかったのだが、鴻巣市は日本有数の(鴻巣の人は日本一と言っている)雛人形の産地なのだそうだ。このひなの里では、江戸時代以降の古い雛人形を時代を追って展示している。他に、古式豊かな御殿雛や、雛人形の製作過程がわかる展示もあり、しばしその魅力に見入っていた。
 2月には、高さ7mの31段飾りの雛人形を展示する「びっくりひな祭り」という祭りも行われるそうだ。如何に地元の伝統産業を大切にしているかを伺い知ることができた。
 法要参列とはいえ、旅は旅である。こうして旅に出て、それまで知らなかったその土地の文化や伝統に直に触れることが、人生をまた豊かなものにする。歳とともに段々遠出が億劫になってきたが、たまには外の空気を吸うことも必要だと、今更ながら感じた次第だ。
 さて、雛人形といえば、僕はかつてこんな句を創ったことがある。
 雛市や 亡き妻に似た 雛のあり
 けっこう自信があったのだが、句会ではあまり点数がはいらなかった。凡人、いや才能無しかな?(5335)