まさに春。気温といい、お日さまの照り具合といい、絶好のお花見日和だった。
 今日は、市役所に、元同僚のTa議員を訪ねる約束になっていた。今でも僕に、市政のことで色々と訴えてくる人がいるが、言うまでもなく僕はもう議員ではない。そんなときは、これまでも、かつて同じ会派を組んでいたTa議員やTo議員に話を通したことはけっこうあった。今日も、市役所内でのパワハラ問題について、僕が知り得た情報を伝えるために時間をとってもらったのだ。
 約束は10時半。車だと何もなければ市役所前には5分で到着する。その後、駐車場に車を停めて、そこから歩く時間を加えても楽々間に合う。
 が、桜祭りの最中だ。年のため、いつもより早く、10時過ぎには家を出た。それと、公園に隣接する市役所の駐車場はおそらく満車だろうから、読書人倶楽部の駐車場に車を停めて、そこから歩こうという、綿密兼完璧な計画を立てて出発した。
 案の定、公園へ向かう中央通りは早くも渋滞の様相だ。そこで一計を案じて、商工会議所下の4つ角を左折した。百石町を抜けて、下土手町十文字も直進して、朝日会館向かいの角を右折し、親方町の坂を上ろうとした。
 が、そこも渋滞だ。本町の車の流れがストップしているようだ。仕方がないので、右折を諦め、鍛冶町を直進して桶屋町のT字路まで行く。そこを右折すれば、若干遠回りだが、読書人倶楽部は、もう目と鼻の先だ。
 甘かった。そこももはや車が進んでいない。もうこうなったら、ぐるっと大回りするしかない。
 桶屋町T字路を左折し、鳥かんの角を右折。銅屋町を突っ切り、紙漉町から文化幼稚園手前を右折し桜林町へ。そこもそのまま直進し、突き当りを弘高下駅方面へ右折。踏切を渡り坂を駆け上がり桔梗野へ。坂の上の十字路を右折し新寺町に突き当たると左折してまたすぐ右折する。稲荷神社の裏手に出ると、今度は大学病院の裏の方へ左折して坂を下る。道なりに走って医学部の校舎前を右折して本町に突き当たって右折すれば、そこがようやく読書人倶楽部のある通りだ。
 何やら、落語の「黄金餅」に出てくる言い立てのようになったが、そうしてどうにかこうにか読書人倶楽部の駐車場に車を停めた時には、もう約束の10時半を過ぎてしまっていた。
 読書人倶楽部に着いてから気が付いたこともある。本町の渋滞は、花見客だけのせいではない。相変わらず、大学病院に行く車が、延々と並んでいる。おそらく、予約した診察時間に間に合わない人が多発したのではなかろうか。
 結局、市役所4階の議会ロビーに到着したのは10時45分頃だった。Ta議員はまだ会議中とのことで、逆に僕が少し待つことになったが、無事に案件を伝えることができた。
 つくづく反省した。こんな日は、車で出歩かない方がいい。我が家からだと、市役所までも読書人倶楽部まででも徒歩15分くらいで着くのだ。それを車で行こうとした僕が一番悪い。(4211)