5月11日(日)晴れ
 由緒正しそうな古い家に老夫婦が住んでいる。ご主人はもう90歳をすぎたとのことだ。この度、二人して施設入所を決意し、既に申し込んだのだそうだ。
 が、気がかりなのは、保護して育ててきた10匹の猫たち。2匹はもうどこかに貰われていったのだが、まだ8匹残っている・・・という情報を聞きつけて、何かお手伝いできることはないかと思い、早朝にそのお宅を訪問した。
 チャイムを鳴らしたら、中から応答があった。来訪の目的を伝えた。だけど玄関は閉じたままだ。
 不審者と思われたのだろうか? いや、不用意に開けると、猫が逃げてしまうからなのだそうだ。そんな訳で、玄関の引き戸を挟んだまま、しばらく立ち話をした。
 ご主人は、猫たちの行く末をとても心配している。保健所へも連絡したという。でも、保健所に行った猫が必ずしも幸せになるとは限らない。殺処分される猫も相当数いる。
 僕らの活動の趣旨も話した。6月28日には譲渡会を開催するので、そこで新しい飼い主を探さないかと持ちかけた。飼い主が見つからなかったらどうする?と訊かれた。その時はその時で、保護猫の会員の中で預かってくれる人を探すと答えた。
 結局、まだ結論は出ていない。一応、名刺に僕の携帯電話番号を書いて、戸の隙間から差して渡してきた。

 5月12日(月)曇りのち雨
 4月28日に猫を捕獲してきたお宅を再び訪れた。28日のブログにも書いたように、そのお宅の周囲には、まだまだ沢山の野良猫がいて、近所から苦情も出ている。
 そこで今日は、2回目の捕獲大作戦。前回、意外と苦戦したので、今日は通常の餌とは別にまたたびの粉も持って行くことにした。これで猫は、すんなりと捕獲箱の中に入ってくれるだろう。
 ところが、いざ捕獲箱を設置する段になって雨足が強くなってきた。そのせいか、前回は6~7匹は集っていた猫が、今日は2匹しか見あたらない。
 これは、今日も時間がかかるのかなと心配していたら、またたびの効き目なのだろうか、あまり時間をおかずに、一匹を捕獲することができた。
 が、さっきも書いたように、これでお終いとはならない。そのお宅の人が言うには、出来れば全部、誰かに引き取ってもらいたいのだそうだ。近いうちにまた来ることを約束して、捕獲した猫を引き取ってくれる人の家まで運んで帰ってきた。

 僕も、あと1ヶ月と11日で古希を迎える。まさかこの歳になって、保護猫Hunterという仕事を始めるとは、努々思ってもいなかった。仕事と言っても、全くのボランティアである。引き取って下さる人には、避妊・去勢の手術代やその後の餌代等、かかる経費のほんの一部としていくばくかの寄付金をいただいてくるが、僕は一切無償だ。
 それをぼやいているのではない。書店経営⇒市議会議員⇒無料の猫ハンター・・・、我ながら面白い人生だとは思うが、店の後を継ぐことを期待していた父親がみたら、さぞや嘆き悲しむことであろう。(7074)