今泉昌一の 私事時事

前弘前市議会議員 今泉昌一の  私的なはなし、市的(?)なはなし

2012年01月

安政五年から平成元年まで 時をかける読書


 今年に入ってから、読書が快調だ。一月の最終日となる今日で、11冊目の本を読了した。勿論、雑誌やコミックの類はカウントに入れていない。3日に1冊をやや上回るペースとなる。
 世の中には、ほぼ一日1冊のペースで読まれる方もいると聞く。3日に1冊なんて、たいしたことないと思われる方もいらっしゃるだろう。でも、僕にしてみれば、たいしたペースなのだ。時間が無尽蔵(?)にあった学生時代ならいざしらず、議員という立場についてからは、おそらく新記録だったんではないかな、と思う。
 その要因として考えられるのは、青森市に出かけた日が4日もあったこと。往復約2時間の電車での移動は、絶好の読書タイムなのだ。特にその内の一度は、豪雪のため、3時間以上も電車の中に閉じ込められた。JRの対応にいらいらしながらも、本を2冊持っていたので、退屈はしなかった。

 今月のお薦めは2冊。と言っても、相変わらず新刊を読んでいる訳ではない。だから「今月の新刊」という意味ではない。僕が今月読んだ本の話だ。
 先ずは「安政五年の大脱走」

五十嵐 貴久
幻冬舎
発売日:2003-04

 井伊直弼や長野主膳も登場するが、歴史小説ではない。海上に聳え立つ、表紙のイラストのような、四方を絶壁で囲まれた山頂から脱走を試みるという、フットレルの「13号独房の問題」に代表される、脱獄ミステリーの一種だ。ハラハラ、ドキドキと一気に読ませてくれる。巧みに貼られてある伏線も、筋が通っている。

 もう1冊は「仰天・平成元年の空手チョップ」。夢枕獏の、SFプロレス小説である。

 SFと言いながら、猪木や馬場が実名で登場する。登場するだけではない。なんとプロレスファンにとっては夢のまた夢であった猪木VS馬場が実現するのだ。でも、なんと、それはセミファイナル。じゃあ、メインイベントは何か? というところがまさにSF小説なのだ。
 この小説が書かれたのは、1990年代。まだプロレスに元気があった。多くの人が幻想をいだいていた時代であった。それから20年後、残念ながら、もはやプロレスの存在は、忘れ去られようとしている。
 今、この小説を読んで、素直に笑える人は、相当のプロレスフリークだ。是非一緒にビールを飲みたいものだ。

 それにしても、安政五年から平成元年まで、時をかける本の旅を楽しんだ。

特別委員会と全員協議会


 今日は、10時から特別委員会、終了後に議員全員協議会(全協)が開催された。どちらも大切な会議であった。
 特別委員会は、半年間の紆余曲折を経て、昨年12月に議員発議で設けられたものだ。二つの特別委員会のうち、僕は、議会制度等調査特別委員会に所属している。ちなみに、もう一つの委員会は、産業振興対策等調査特別委員会である。
 今日の議題は、委員長・副委員長の互選であった。本来であれば、この組織会は、昨年12月16日に開催されていたはずであった。その日、本会議終了後、僕らは委員会の招集を控え室で待っていた。ところが、いつまでたっても開会の案内がこない。聞けば、会派の間で、委員長・副委員長の調整が難航していたそうだ。結局その日は招集すらされず、年を越して、今日の会議となった。
 今日も、最初、互選にあたって指名推薦の方法が提案された。僕は、それに対して異議を唱えた。一人でも異議があると、指名推薦ではなく、投票による互選となる。指名推薦だろうと投票だろうと、事前の調整が済んでいれば、結果は変わらないと思う。だけど、議会の旧弊を変えていこうというこの委員会の委員長・副委員長が、旧態依然とした会派間の調整で決められてしまうことに、僕は大きな疑問を感じたのだ。せめて投票をして、委員全員が意志を表示しなければならない。そういったことから、一つ一つ変えていかなければならないのではないか。そう考えた次第である。
 投票の結果、委員長も副委員長も、16票中12票を獲得して選出された。予定通りなのであろう。予定外だったのは、副委員長の投票で、僕に票を投じてくれた委員が2人もいたことだ。僕は、根回しなんかは一切していないし、勿論、自分で自分に投票するなんて野暮な真似は決してしない。どなたかは知らないが、少なくとも、僕と同じく、事前の調整で人事が決められていくことに抵抗を感じている議員がいたということを、嬉しく思う。
 とは言え、選任された委員長・副委員長に、異論を唱えるものではない。谷川委員長には、会議終了後、廊下で会った時に、エールを送った。多くの市民が、弘前の議会改革の行方を見守っている。大変な任務だと思うが、是非頑張って欲しい。
 会議の中では、これからの進め方として、一般傍聴を認めるのかどうかも問うた。そういったことも含めて、具体的には2月21日の第2回目の委員会で協議することになった。
 議員全員協議会(全協)は、河川敷の市民ゴルフ場についての説明であった。
 経営が行き詰まったゴルフ場を運営する第3セクターに対して、市が指定管理料を拠出することの是非が、昨年来、市民の間でも議論を呼んでいる。僕は、昨年6月の全協でも、今後指定管理料を維持するのかどうかを判断する材料として、長期計画と資金繰り表の提出を求めた。それが、半年経った今日、ようやく手渡されたのだ。
 でも、残念ながらそれは、納得のできるものではなかった。
 今日の全協でもいくつか質問し、指摘もしておいたのだが、まず、対金融機関の件である。提出された長期計画では、この先、金融機関に対し、元本だけを償還して、利息を支払わないことになっているが、それを金融機関は了承しているのだろうか? その点について、明確な答弁は無かった。少なくとも、こうして計画を公にする以上、しっかりと合意が得られていなければならないはずだ。
 その通りにいけば、確かに長期借入金残高は減る。そのような数字にはなっている。一方で6年後の予定貸借対照表では、仮受金勘定が増えている。この点を質問したら、個人からの借入なのだそうだ。金融債務は減る代わりに、不透明な仮受金が増える。減る額と増える額には大きな違いはあるが、決して看過できない点だ。
 短期借入金は、平成22年度末でも平成28年度末でも、増減無しだ。その点を質問したら、年度末に借りて、年度初めに返済することを繰り返すのだそうだ。それにしても、その金利はどこにも記載されていない。
 大体にして、この会社の一番の課題は、平成31年から始まる、預かり金2億2千万円の償還だ。だから、本来であれば、長期計画は、それを見据えて、最低でも平成30年度までのものが必要だろう。平成31年3月の時点で、償還に回せる流動資産がどれくらいあるのかを押さえておかなければならないはずだ。
 ところが、今日出されたものは、平成28年度までの6年間のみであった。これでは、長期の計画をたてる意味が希薄だと思う。
 その他にも、一つ一つの数字を見れば、首をかしげざるを得ない点がいくつかある。何せ、今日もらったばっかりだ。これからじっくり精査すれば、まだまだ綻びが出てくる可能性は高い。
 僕のこの問題に対する態度は変わらない。誰が見ても、この会社になら管理を委託しても大丈夫だと納得できる会社でなければ、税金を投入すべきではないということだ。このままでは、仮に来年度予算で指定管理料が計上されても、賛成するわけにはいかない。
 
 
 

日曜は読書人倶楽部の日


 弘前読書人倶楽部は、毎週、火曜日が定休日だ。深い理由は無い。市立図書館の休館日が月曜日なので、重ならないようにしただけだ。
 その火曜日を除く月曜日から土曜日までは、Nさんという女性スタッフが常駐してくれている。物腰のやわらかな落ち着きのある方だ。Nさん目当てに来館して下さる方もいらっしゃるのだろう。
 ところが、Nさんは、日曜日、ご自身の趣味(生きがい)の卓球の試合があるため、不在となる。そこで、僕の出番となる。毎週、日曜日は、本来、僕が、正午から夜7時までつめていることになっているのだ。
 といいながら、1月は酷かった。毎週日曜日、何やらかにやら行事が重なってしまった。8日は弘前市の成人式、15日は青年会議所の総会、22日は隊友会の新年会と、大切な会合がぶつかり、読書人倶楽部の責務を全うすることができなかったのだ。開館時間をおくらせたり、4時や5時で閉館してしまったりと、随分と会員の皆様にはご迷惑をかけてしまった。
 今日、ようやく、本来の勤務時間びっしりと、読書人倶楽部にいることができた。勤務と言っても、来館下さる方への応対と、電話番くらいだ。コーヒーやビールを飲みながら、来館者とおしゃべりをしたり、のんびりと自分のデスクワークにいそしむことができた。
 そんなわけで、今日開催されているはずの畑山聡議員の市政報告会には出席できなかった。前回はおじゃまして、刺激をたくさん頂戴してきた。迷惑でなければ、毎回参加して、勉強させていただきたいのだが、日曜日にはこのようなルーティンワークが入っていて、出られない場合もある。土曜日だったら出やすいのになぁ、と勝手なことをつぶやいておこう。畑山さん、あんまり気にしないでね。
 
 来月の日曜日も、既に、19日には行事が入ってしまっている。12日には、倶楽部を利用した集まりもある予定だ。でも、それ以外の日曜日は、今のところ、時間通り僕が留守番をしているはずだ。会員の方は勿論、会員でない方でも、お気軽に遊びに来てほしい。
 そうそう、読書人倶楽部と言えば、倶楽部のホームページに、蔵書リストをアップした。検索もできないし、本の内容がわかるようにもなっていない。ただ、ジャンルごとの一覧表を貼り付けただけだが、どんな本があるのか興味のある方は、是非ご覧いただきたい。
 一日中、本に囲まれて座っていると、 なんとなく心が落ち着いてくる。十分に英気を養うことができた。明日の議会制度調査特別委員会の初会合、それと河川敷ゴルフ場についての全員協議会、思う存分発言しようっと。
 読書人倶楽部からの帰り道、見上げると、冬空にはっきりと、オリオン座を見ることができた。「♪シルバー・グレイの翼 オリオン座を見上げてる・・・♪」(詞;竜真知子)。キャンディーズの隠れた名曲「銀河空港」を口ずさみながら、雪道を急いだ。
  
 
 

雪・雪・雪


 このブログで、雪のことを書くのは、もう何度めだろう? 皆さんも読み飽きたかもしれない。でも、掻いても掻いても雪は無くならないし、書いても書いても、ぐだめきは書き足りない。
 それにしても、今朝の雪の多さはなんだ!? この冬一番だったのではないか? 朝、玄関前の雪を片付けて、市立図書館に本を返却しに行って帰ってきたら、もう踝まで埋まるくらい、また雪が積もっていた。
 昨日、弘前読書人倶楽部の前の通りに、ようやく排雪作業が入って、駐車場を塞ぐようにせりだしていた雪の山を片付けていってくれた。と、いう矢先の今朝の大雪だ。誰に向けるわけにもいかない怒りと、自然の摂理の前にした無力感が、ほとんど同時に込み上げてきた。以前も書いたが、3台分の駐車スペースと、その前の歩道。これだけの面積でも、手作業でやるとなると、なかなかしんどいのだ。
 特に今日は、近所を流れている川まで、雪を捨てに、何往復もした。いつもは道路脇に積み上げておくのだが、それだと折角片付いた雪の山が、すぐ復元してしまうからだ。たいした距離でもないのだが、スノウダンプを押して、行ったり来たりしているうちに、腰につけた万歩計は、いつのまにか6500歩をカウントしていた。1日の目標が1万歩である。朝の2時間足らずの雪片付けで、既に三分の二を消化したことになる。
 そのあと、さっきも言ったように、市立図書館までの往復で、今日の分は、見事に達成した。というわけで、今日の午後は、温かいお茶をすすりながら、溜まっていたデスクワークを片付けて過ごした。
 それにしても、この雪は、いつまで続くんだろう? 市の除雪費用は、補正も含め既に9億円を使い切ろうとしている。このままでいくと、更なる補正予算を組むことは必至だ。
 テレビや新聞では、青森市の除排雪の遅れや事故ばかり採り上げられているので、弘前の中にも、「青森に比べれば弘前はまだましだ」と考えている人もいるかもしれない。でも、本当にそうなんだろうか? 弘前市の除排雪態勢についても、検証する必要はありそうだ。

 川に雪を捨てていて、流に目をやると、上流のほうでも、あちこちで雪を人が捨てる多いらしく、いくつもの雪の塊が、ものすごいスピードで流れ去っていく。ふと考えた。この大量の雪と、この激しい流れをエネルギーに転換することはできないものかと。
 如何せん、文科系の悲しさ。そこから以上は、考えは先に進まない。まぁ、僕が考えつくくらいだから、もう、理科系の人たちは、とっくの昔から研究しているんだろう。きっと。
 

(分もわきまえず)国会批判


 昨日・今日と、市内を回りながら、車の中で国会中継を聴いていた。途中、家に立ち寄った時は、テレビでも視た。なんという緊張感の無さだろう。あきれるやら、悲しくなるやら、腹立たしいやら・・・。
 今国会は、内閣にとっては、消費税増税やら、衆議院の定数是正やら、是非とも通したい重要法案を多数抱えている。平成24年度予算も年度内に成立させなければならない。予算は、与党が、衆議院で過半数を占めているので通るのだろうが、予算関連法案には衆議院の優越はない。昨年は、震災復興という大義名分があったので、野党も反対に徹しきれなかったきらいがあるが、今年はそうもいくまい。
 一方、野党、特に自民党は、マニフェスト違反の消費税増税を突破口に、なんとしてでも解散総選挙に持ち込みたいはずだ。先般の自民党党大会で、谷垣総裁も言明していたではないか。言ったことを実行できないのでは、これまで批判を浴びせ続けてきた民主党政権と、なんら変わりはない。
 だから、今国会は、与野党双方にとって、これまでになく重要な論戦の場であるはずなのだ。
 ところが、昨日・今日の代表質問、問う側に鋭い切り込みも無く、答える側も、淡々と原稿を読んでいるだけだ。その原稿も、双方、明らかに”棒読み”にしか聞こえない。誰が書いてくれたのかはしらないが、つっかえたり、句読点の息継ぎがおかしかったり、一度も目を通さず、ぶっつけ本番で臨んでいるのではないかと思われる場面も頻出していた。その点では、今日の渡辺喜美みんなの党党首の質問にも失望した。栃木弁丸出しでいいから、もっと自分の言葉で訴えかければいいのにと思った。
 相変わらず野次も凄い。自民党の細田氏の登壇時は、怒声でしばしば質問が中断した。細田氏は、サッカーになぞらえ、ロスタイムをいただきたいと言っていたが、それも一理ある。
 なによりもあきれ返ったのは、家でテレビを視ていた時のことだ。カメラが、質問者・答弁者席ばかりでは面白くないからか、なめるように議員席を映し始めた。それも名札の文字が読めるくらいの大写しで。いやぁ、居睡りしている議員の多いこと多いこと。「目をつむって瞑想している」なんて言い訳は通用しない。どっからどうみても、間違いなく眠っているとしか見えない議員のオンパレードであった。
 これでは、国会議員の定数を減らせとか、歳費を減らせといった声が、国民から湧きあがっても当然だ。消費税、社会補償制度等、国民の暮らしに直接係ることを審議する大切な国会がこんな状況では、日本の未来は決して明るいものではない。
 翻って、弘前市議会はどうだろう。さすがに、野次で質疑が中断するようなことはない。ただ、議員になってすぐの頃、一般質問を傍聴に来ていた見知らぬ方と、ロビーでばったり会った時、「議員というのは他の議員の質問には興味がないんですかねぇ? メモをとりながら聞いていた議員はホンの数人しかいませんね」と話しかけられた。市民の目というものは鋭いし、細部まで行き届いているものだと、改めて思い知らされた。
 えっ?僕? 僕はメモをとっているかって? 勿論メモしている。 僕の議会報告会の資料には、僕以外にも、一般質問に登壇した全議員の質問項目を掲載している。どの議員がどんな質問をしているのか、皆にわかってもらいたいと思うからだ。だから、ひょっとしたら、自分以外の質問項目のことを、参加者から尋ねられるかもしれない。そんな時に、せめて質問と答弁のアウトラインくらいは、答えられるようにしておきたい。そのために、僕は一般質問に、いつもペンを離さず臨んでいる。もっとも、自分の書いた字が、後で読めなくなるのは日常茶飯事なので、甚だあてにならないメモなのだが・・・。

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