消費税増税をめぐって、国会が大騒ぎをしているようだ。民主党・自民党共、党内で賛否が分かれているようだし、国民新党にいたっては、完全に分裂したようだ。肝心の国会議員でもそうなのだから、一国民としては、どう判断していいのか、わからないのも仕方がない。いろいろと、聞きたいことも言いたいこともあるだろう。
今日は、民主党の国会議員を囲んで、税と社会保障一体改革について、ざっくばらんに話し合う、車座ミーティングが開催された。20名近い市民が参加して、忌憚のない意見が交換された。
消費税増税には、どちらかというと、反対の声が多かった。国会議員の定数や、国家公務員の給与削減、天下りの根絶や無駄使いの排除等、3年前の総選挙で、民主党が約束したことを果たすのが先ではないか。増税はその後だ、という意見が大方であった。企業の経営者からは、今の経済状況での増税は、景気の低迷に拍車をかけるだけだ。中小零細業者は、増税分を価格に添加できず、経営が益々厳しくなる、といった意見も出された。
そもそも、3%の消費税が導入された時にも、名目は福祉目的税だったはずなのに、いつの間にかうやむやになった。今回も、本当に社会保障にだけ使われるのか?といった疑念もあった。食料品等、生活必需品に対する軽減税率の適用を望む声もあった。
一方で、増税やむなしという人もいた。将来のために、これ以上国債発行に頼った財政運営ではいけない、という大局的な考え方だ。
国家公務員の給与や人員削減についても、苦言が呈された。公務員の仕事の内容について調査が不十分だ。国家公務員だけ給与が減らされて、地方公務員を減らさないのはおかしいのでは、という意見だ。あるいは、公務員の給与削減は、取りやすいところから取ろうという感じで納得がいかない。まずは国会議員が身を削る努力をすべきだという、意見も出された。
どれもこれも、もっともな話だ。
もとより今日は、結論を出そうという場ではない。市民の素直な考え方や疑問を、直接国会議員にぶつけようという会だ。代議士も、メモをとりながら、真剣に聞いていた。質問されたことにも、誠実に答えていた。是非、今日出た様々な意見を、国会の論戦や、国政の運営に活かしてほしい。
最後に、今日出た意見の中で、とても印象に残るものがあった。
一般の民間企業であれば、経営理念というものがある。顧客満足や社会貢献を、その中で謳っている。それじゃあ、行政機関にとっての理念とは何か? 顧客とは誰なのか? そんな問題提起がなされたのだ。
うーん、深い。顧客とは、「国民」である、「市民」であるというのは簡単だ。でも、答えは、もっと別なところにあるような気がする。