学生時代の友人が、東京から、わざわざ弘前まで訪ねてきてくれた。明日、仙台で会議があるのだそうだ。一日早く出発し、仙台を通り越して新青森まで来て、その上奥羽本線に乗り換えて、弘前まできてもらえる。これを”わざわざ”と言わずして、何と言おう。ただただ感謝の気持ちでいっぱいだ。
実は3~4年前も、彼は、弘前に来ている。突然「今、弘前の駅前にいるんだけど」という電話がかかってきた。その時は、残念ながら、日程が詰まっていて、会うことはできなかった。だから、今回は、万難を排して、彼と会う時間を創った。
旧交を温めるということが一番だが、今回の彼の来弘の目的には、弘前読書人倶楽部を見てみたいということもあったとのことだ。以前に僕が上京したとき、さんざん吹いてまわったせいで、友人には倶楽部の存在を、なんとなく知っていてもらっている。
そこで、昼食のあと、読書人倶楽部へご案内した。そして、手元にある記事や、昨日の総会資料などをみせながら、倶楽部の由来や活動を説明した。
図書室のような形態をとっているけれど、実は、いろいろな人が集って交流を深めることを目的としている。そのために、1~2か月に一度ほど、作家や落語家をよんで話を聞いたり、音楽を楽しんだり、会員の講話を聴いて勉強をする。その後は、皆で食べながら飲みながら懇談をしている・・・ということを、実際に冷蔵庫を開けてみせながら、お話をした。
そうしたら、彼も、東京で同じような活動をしているという。ある一室を借りて、月に一回、日本の伝統や文化について、その道の専門家を読んでお話を聞く会を、ずーっと続けているというのだ。講話のあとの懇親会というところまで一緒だ。今ではほんの数人しかいなくなったと言われている”幇間”を呼んでその芸を披露してもらったり、江戸時代から続く老舗商店の店主の話をきいたりしてきているのだそうだ。さすがに東京だ。お招きする講師の数も幅も大きい。
ただ、そうやって、「人が集まる」、「一緒に学ぶ」、「懇親を深める」といった場を創りたいという思いは共通している。そしてまた、継続していくことの価値や難しさについても、お互い理解し合うことができた。
彼の会は、毎月第4木曜日の夜なのだそうだ。お誘いを頂戴した。何とか時間をみつけて上京し、是非一度参加してみたいものだと思う。