今泉昌一の 私事時事

弘前市議会議員 今泉昌一の  私的なはなし、市的(?)なはなし

2013年09月

長月 晦日


 晦日だったのである。商売をされている方には多忙な日だ。
 僕も、書店を経営していた晩年には、それはもう大変だった。端末で、金銭出納の一部始終や銀行残高と、にらめっこをしていた。場合によっては、銀行に走った。
 晦日が近くなると、僕の頭の中は、もう数字で一杯になった。支払いの予定、返済の予定、それに対して売り上げはいくらで入金はいくらか…等々。布団に入って目を閉じると、まぶたの裏に数字が浮かんでは消えた。
 一時、亡くなった女房が経理の見習いをしていた時期があるが、無事晦日を乗り切って、通用口の鍵を閉めたあと、ちょっとだけ寄り道をして、ビールで乾杯したものだった。
 会社が倒産したあと、女房は、すぐに、親戚の経営する事務機屋に勤めることができた。僕は、破産の後始末もあったので、半年ほど家にいたあと、友人の世話になり郊外型の書店に勤めることができた。後にも先にも、完全なサラリーマンを体験したのは、初めてである。
 その頃のころの話だ。ある朝、女房がやけに張り切っている。いつもより早く起きて、出勤の準備に余念がない。僕は普段と同じくマイペース。「なんで、そんなに張り切っているんだ?」と思わず尋ねた。そうしたら、「あんた、何言ってるの、今日は月末でしょ!」と一括された。そうだ。彼女は、事務機屋の営業をしていて、晦日には集金のノルマがあったのだ。やっぱり、晦日は特別の日だったのだ。それに比べて僕は、書店の一店員という立場に慣れてしまい、すっかりその感覚を忘れてしまっていた。女房からも、「ついこの前まで、月末といえば、あれほどピリピリしていたのにねぇ」と、あきれられてしまった。
 晦日だったのである。もう、頭の中を数字が駆け巡ることはない。でも、今日もそれなりに忙しかった。税金と国保料の支払い、本代等、その他いろいろな支払いもあり、反対にわずかではあるが、集金するところもある。一回で済ませられればいいのだが、なかなか思い通りにははこばず、A銀行の支店を3軒まわることになった。
 どこも混んでいた。随分と待たされたところもある。そんな時、気になるのは、待合の椅子の横においてあるマガジンラックだ。支店によっては、週刊誌や雑誌を数種類置いているところもあれば、女性週刊誌や料理雑誌しか置いていないところもある。銀行で発行している刊行物しかみかけない支店もあった。
 何もしないで、10分20分、椅子に座って待つなんてことは、僕にはできない。何かを読んでいなければ、時間がもたない。この際、A銀行には、ロビーの雑誌の充実を切にお願いしたい。
 と、僕が言える立場にはない。かつて、晦日の度にお世話になって、あげくの果てにはご迷惑をかけてしまったのがA銀行なのだ。雑誌くらいで文句は言えない。今度からはバッグに新書か文庫くらい、しのばせていこう。

黒い秘密兵器


 困った。ブックトークの講演者が決まらない。
 弘前読書人倶楽部では、読書人らしい例会として、ブックトークを定期的に続けていこうということを決めた。7月は、倶楽部に本を寄贈して下さった関さん、暑い盛りの8月を飛ばして、9月には倶楽部の会計役員(陰の代表でもある)の田中さんと、順調にこの企画は進んだ。その告知や模様は、このブログでも紹介してきた。
 10月のブックトークの演者も、実は決まっていた。9月のブックトークの際は、来場された方に、日時も演者も予告をした。10月は女流歌人のFさんを予定しています」と言ったときに、「おー」という期待のどよめきが聞こえてきた。
 ところが、そのFさんの、都合がつかなくなった。こちらは葉書の宛名書きも終わり、あとは案内文を印刷すればいいだけ、というところまで準備を進めていた。印刷する前だから助かった。
 急遽、今度は、昨年シャンソンコンサートも開いてもらったKさんに白羽の矢を立てた。一旦は、話しは前向きに進んだようだ。彼の知識は、幅も広く奥も深い。その読書体験には、ものすごく興味があった。
 が、それも駄目になった。次に、お願いしたのが、一昨年の東奥文学賞の大賞を受賞された女流作家のSさん。ブックトークではないが、僕は、以前に、Sさんのお話を、恩師を囲む仲間の会で、聞いたことがある。優しそうな語り口の中に、しっかりとした人生の芯を感じさせる、いいお話しであった。是非、本にまつわる話も聞いてみたいと期待した。でも、結局予定が合わなかった。
 困った。暗礁に乗り上げてしまった。
 実は、隠し玉はいるのである。それは、リーサル・ウェポンである。いや、「黒い秘密兵器」と言ったほうがいい。
 「黒い秘密兵器」は、「誓いの魔球」と「巨人の星」の間に位置する魔球漫画だ。主人公が魔球を投げ過ぎて肩を壊し球界から去っていく、なんてところは、「巨人の星」の原型にもなっているように思う。
 そう、 秘密兵器には、その不安がいつもつきまとう。使ったが最後、何か取り返しのつかないことが起こるかもしれない。
 それに、秘密兵器は秘密だからこそ価値がある。人前に晒してしまえば、その瞬間に秘密兵器としての価値はなくなる。切り札をどこで使うのか、伝家の宝刀をどこで抜くのか。タイミングを誤れば、爾後闘う術を持たなくなってしまう。
 いやいや、そんな大げさな話ではない。もっと、簡単な話だ。本当に秘密兵器としての価値があるのかどうか、秘密兵器を自称している人間が、まったく自信を持っていないのだ。だいたいにして、読書人倶楽部の代表などを名乗りながら、毎晩酔っぱらって、ここのところ、まともに本も読んでいない。
 そりゃ昔は、本に囲まれて育ったようなものだから、それなりには読んだ方ではあろう。でも、純文学なんてものとは全く縁遠いし、体系的に読むなんてこともしてこなかった。その時その時に、面白そうだと思ったものだけを、読んできたようなものだ。それに、読んだ先から内容を忘れていっているような始末で、犯人もトリックもわかっているはずの推理小説だって、何度も読み直すくらいだ。
 そんな訳で、隠し玉もあてにならない。
 午後3時頃、たまたま。昨年の東奥文学賞大賞を受賞されたTさんが、倶楽部を訪れてくれた。ブックトークの件をストレートにお願いしたところ、10月は難しいが11月だと大丈夫だとおっしゃってくれた。有難い。
 でも、間近に迫った10月はまだ決まっていない。一体次のブックトークを誰にお願いしようか? 今日の夕方からの読書人倶楽部では、酒の肴でそんな話になった。どうやら、最終兵器、黒い秘密兵器の出番が近いらしい。
 えっ? 秘密兵器って誰だ? って。 それは、ひ♡み♡つ♡  (何をいまさら・・・)
 
 
 

ダブル・ブッキング


 今日は、以前このブログで紹介したindriyaさんで午後1時から、「風と共に去りぬ」の上映会が行われた。僕らスタッフは午前11時集合。準備といっても、ほとんど夕べのうちに終わっていたので、お店の自慢のランチを食べながら、参加者が集まるのを待った。
 ちなみに、ここのランチは、肉や魚を一切使っていない。野菜や豆類中心の、身体に優しいお料理だ。初めておただいたが、肉好きの僕でも、充分満足できる味と内容だった。今晩の血糖値はきっと下がっているだろう。
 上演時間5分前。僕は、スクリーンの横に立ち、型通りのセレモニーの進行をし、携帯電話の電源を切って下さいなどという、これまた型通りの注意事項を読み上げた。そして、「いよいよ上映開始です。はじまり、はじまり」とおどけてから、映画も観ないで、会場を後にした。
 実は、今日、もう一件、重要な会議が入っていたのである。弘前ペンクラブと弘前市教育委員会の、太宰治まなびの家指定管理に関する協議会。どちらが先だったか微妙なところではあるが、僕は、この二つの予定を同じ日に入れてしまっていた。
 どちらも、言いだしっぺに近い。片一方だけを欠席することもできない。やむなく、映画鑑賞を諦めた。そして、午後2時からのペンクラブの会議が終わり、後片付けをして、5時過ぎに上映会場に戻った。会場のドアを開けたら、スクリーンには、「The End」の文字がちょうど映し出されていた。
 今回の原因は、二つのスケジュールがほぼ同じ時期にきまったのだが、その先に決まった方を、きちんと手帳に書いておかなかったこともある。勿論、どちらにも相手もいることだけに、自分の都合だけでも決められなかったという面だってある。
 これとは別に、手帳に書いた自分の字が読めなくなって、ダブルブッキングをしたり、約束をすっぽかしてしまったことがある。ミミズが這ったような字、と言えばミミズに失礼にあたるくらい、僕の字は難読なのだ。このままでは、人生で一番大切な”信用”を失ってしまうかもしれない。
 今思えば、小学校低学年の”書写”の授業が、最も苦手であった。文章は、見た目の文字の美しさよりも、内容の方が大事だろうなんて、幼いころから生意気なことを言っては、先生に叱られていた。今、その因果が巡ってきている。
 でも、今さら、字がきれいになるなんて、考えられない。せめてもと思って、最近、手帳記入用に、細字の万年筆を持ち歩くようになった。でも、細かろうが太かろうが、読めない字は読めない。
 やっぱり、人も字も、見た目が9割というのは、本当なんだろうか? どちらも自信が無い。
 

実践自粛批判


 弘前市議会平成25年第3回定例会は、今日が最終日だった。これまでの常任委員会や決算特別委員会等で審議されてきたことについて、各委員長から報告があり、それについて承認するか否かの採決をとった。全議案とも、賛成多数で、承認された。
 続いて、本日上程された補正予算案と、議員提案に寄る、議員報酬に関する条例案が審議され、いずれも可決された、
 本会議終了後は、自治基本条例に関する議員全員協議会。その後は、会派代表者会議をはさみ、産業振興特別委員会が行なわれ、最後に、「議会だより」編集特別委員会が開催された。なんのかんのと言って、盛りだくさんの最終日であった。
 3月の定例議会では翌年度の予算審査、9月には前年度の決算審査が行なわれる。6月議会・9月議会よりも会期日数も長い。そんなこともあって、いつもなら、3月議会と9月議会の定例議会最終日の夜には、市長以下理事者側と議員の懇談会が行なわれていた。当初は、今日も、その予定であった。
 ところが、その懇談会、先般の台風18号の被災者に対する配慮もあって、今回は中止となった。中止にすると決めた会議では、誰も異論を唱える人はいなかった。
 でも、かといって、理事者側だって、議員側だって、夜に自宅で謹慎しているわけではない。議員の立場とすれば、理事者との懇談会が中止になったのであれば、又別の用件が入り、結局、夜も、打ち合わせや情報交換の席に出ることになる。それも又、市民の声を聞く、市民に市政を伝える、重要な機会なのだ(と、なんだか、飲酒の場を正当化していると言われてもしかたがないようにも思えるが)。
 僕も、明日の映画上映会の準備を終えたあと、関係者(?)と、飲みながらの懇談をした。有意義であり。かつ楽しいひと時でもあった。
 そのお店で、帰り際に市の職員と出逢った。挨拶をして別れた。次に寄った行きつけの寿司屋でも、又、別の職員と出逢った。今日は、よく市の職員と出逢う日だ。単なる偶然かとも思って聞いてみたら、10月1日付けで発令された人事異動を受けての歓送迎会だったのだそうだ。なるほど、それで納得した。
 いいではないか。僕は決して否定はしない。市の職員が楽しそうに街に繰り出している光景は、僕にはとても好ましいものに思える。
 台風の被災者には、心からお見舞い申し上げるし、議会として議員として、復旧や生活支援に対する予算や施策は、何にも優先して提言するし承認する。市の職員だって、最重点課題として取り組んでいる。だけど、それと、夜の街に出向くこととは意味が違う。何でもかんでも自粛してしまうことが、本当に正しい判断だとは思わない。職員にしても議員にしても、市民の税金から給与・報酬をいただいている立場の人間が、積極的に、消費や飲食といった行動で、市の経済にそれを還元していく姿勢が大切なのではないかと、思っている。
 ほとんど、酒飲みの自己弁護と言われてもしかたがない。でも思いだしてみてほしい。以前、官公庁の食糧費が問題になって、一斉に自粛を決めこんだ時に、弘前市内の料亭がばたばたと閉店したことを。それを考えれば、僕の言っていることも、満更間違いではないんだろうと思う。
 

萬屋稼業


 思い出した。6年前、市議会議員に当選させていただいて、市民の方から初めて受けた相談が、”離婚”に関するものだった。市民生活相談の窓口を紹介して欲しいというものだった。
 以来、様々なことに顔を突っ込んできた。その中のいくつかは、このブログでも紹介しているが、野良猫のこと、鴨のこと、カラスのこと、川の葦のこと、土地のこと、側溝のこと、街灯のこと、除排雪のこと、生活保護のこと、国保のこと、老人会のこと、町会のこと、景観のこと、空き家のこと、隣地との係争のこと、街路樹のこと、通学路のこと、越境入学のこと、図書館のこと、学校の設備のこと、特別支援教室のこと、なかよし学級のこと、シルバー人材センターのこと、固定資産税のこと、就労支援のこと、進学のこと、自己破産のこと、公共施設の利用に関すること、バリアフリーのこと・・・・・・・・。簡単に思いつくものだけでも、まだまだある。それも、一度とは限らない。除排雪のことや、道路・側溝のことは、年に何度も相談や要望を受ける。
 税や保健のことや、福祉のこと、観光のこと、産業のことなど、直接市政に係ることもあれば、そうでないこともあった。解決できたこともあれば、上手く解決できなかったこと、今も、継続して取り組んでいることもある。
 今回は、親子関係についての、相談を受けた。相談者のプライバシーにも係ることなので、詳細は避けるが、市政というよりも、ほとんど私的な相談である。それで、6年前もそうだったなぁと思い出したのだ。
 僕は、一応、法学部を卒業したことにはなっているが、同僚のH山議員のような、法律のプロではない。そこで、今回の相談に対応すべく、今日の午後、図書館に行って、法律の本を5~6冊、急ぎめくってみた。しかし、僕が直面している問題の答えは、見つけられなかった。かなり特異なケースなのだろう。婚姻関係や養子縁組などよりも、実の親子の関係は、根が深い。法律の力だけでは、解決できない面を持っている。少なくとも、付け焼刃で本を読んだくらいでは太刀打ちできるものではない。そんな当たり前のことを痛感した。
 だけど、だからといって、途中で投げ出してしまうわけにもいかない。相談を受けた以上は、それが仮に議員の仕事の範疇外のことであっても、全力を尽くさなければならない。
 明日は議会の本会議があるし、終了後は全員協議会や特別委員会も開かれる。夕方からは、市民劇場のイベントの打ち合わせも入っている。ちょっと、時間はとれそうにもない。
 よーし、来週早々にでも、家庭裁判所に行って、詳しいことを聞いてみよう。でも、当事者ではない僕に、きちんと教えてもらえるだろうか?
 思い出した。6年前のことである。市の生活相談窓口に行って、”離婚”の件だと告げたら、住所と名前を書け、と横柄な口調で言われた。自分が離婚するわけではないから書きたくないと言ったら、それでもいいから名前を書けと、強硬に命令された。渋々書いた僕の名前をみたとたん、その職員の態度は急変した。「このたび当選された今泉先生ですか、大変失礼をしました」 手の平を返すとはこのことだ。それを見て、行政に対する市民の不信は、こんな点から生まれていくのだろうと、とても残念に思った。
記事検索
月別アーカイブ
プロフィール

昌ちゃん

今泉昌一の本棚


QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ