このブログのコメント欄の常連さんのM君から情報をいただいて、「外国人を対象とした津軽圏観光地モニタリングツアー ~青森港魅力アップのための意識調査」結果報告会に行ってきた。
この調査は、昨年9月21日、県内在住の外国人20名が参加して行なわれた。青森市、黒石市、弘前市の観光地約10ケ所をめぐり、参加者の意見や感想をまとめたものである。
僕は、所用で30分ほど遅れた。僕が入室した時には、ちょうど、黒石市のこみせ通りの分が終わって、弘前の観光地の調査結果発表に移るところだった。
それぞれに、興味深いデータが発表されていた。弘前市の観光施設の中では、やはり”弘前城”が、最も高く評価されていた。
ただ、さすがに外国人である。ドライなんだろう。お世辞とか、気遣いと言うのは少ない。中には辛辣な(?)なものもあった。
例えば、弘前が”売り”にしている洋館。これは西洋人にには、不評だったようである。外国人が日本に来て求めるものは、いかにも日本らしい城郭や神社仏閣であって、わざわざ日本まで来て、模倣の西洋館を見たいとは思わないのだそうだ。うーん,、一理ありそうな・・。。
同じ理由で、弘前市が売り出そうとしている"アップルパイ”にも、否定的な評価があった。いわく、西洋人にとっては、あまりにも日常的な食べもので、観光資源としてはどうか? というものだった。うーん。と、言われてもねぇ・・・。
原因は明らかだ。20名の外国人中、アメリカが14名。他にもイギリスやオーストラリアなども含めれば、所謂”西洋人”が8割を占める。非常に偏ったサンプルだ。
今、弘前市でもインバウンド対策に力を入れているが、対象は、台湾・中国・韓国の3ケ国だ。その面では、今回の調査そのものが、今現在の実効性を持っているものかどうかは、疑問に思われる部分もある。
それにしても、面白かったのは、外国人が苦手な食べもののことだ。昼食に出された”天ぷら御膳”。ざるそばに握り寿司、茶碗蒸しと天婦羅。この中で、外国人が最も食べられなかった物は何だとお思いであろうか?
僕は、単純に、寿司だと思った。だって、ぼくの知っている外国人は、ほとんど、生ものは口にしないからだ。会場の中には、同じように考えた人も、複数いらっしゃったようだ。
ところが、正解は、”茶碗蒸し”なのだそうだ。なんでも、プリンと錯覚して箸を(匙を?)つけるらしい。そのギャップに閉口しているとのことだ。そんなぁ、自分たちで勝手に先入観を抱いただけの話ではないか・・・。
ことほど左様に、国を問わず、外国人と日本とでは、生活習慣や基本的価値観が、当然のことであるが異なる。今日の報告では、英語によるおもてなしだとか、他言語の案内表示とかの必要性を説いていたが、その必要性はそれとしても、肝心なことは、観光客欲しさに迎合することだけは、やめるべきだということだと思う。
今日の外国人の意見の中に、Castle(城)は、ヨーロッパの大きな城郭を基準にするので、弘前城は、”城”と呼ばずに、弘前“公園”に統一してPRすべき、というものもあった。
そのような暴論に対しては、毅然として、「No」と言わなければならない。日本には日本の、津軽には津軽の価値観や良さがある。そのことに誇りをもって、たとえ英語が話せなくても、外国人から評価されなくても、僕らは堂々としていればいいだけの話だと思う。
・・・と、英会話が全くできない僕は考える。