今日は、八幡様の宵宮。もの凄い人出であった。賽銭箱の前には長蛇の列、いや、長蛇というよりも、白髪三千丈といった方がふさわしいくらいの行列が連なっていた。下世話な僕は、今日一日で、神社はいかほど稼ぐのだろうと、罰当たりなことを考えてしまう。
参道には、昔ながらの金魚すくいやヨヨー釣り、焼きそば、おでんなどの屋台が 立ち並ぶ。おいしそうな匂いと、子どもたちの歓声が、鼻と耳をつく。
でも、立ち止まって買い食いをするわけにはいかない。今日僕は、地元の消防団の一員とした、纏振りを奉納する行事に参加したのだ。

勿論、僕は、纏を振れない。あんな重い物は、持って運ぶだけで大変だ。
僕の役目は、纏の後を、ジャガラを鳴らしながら行進すること。そして纏を振っている時は、後方に整列していることだ。それだって、大切な役割だと思う。
八幡様に行って思い出すのは、小学校の頃、この近くに住んでいた友達がいて、よく遊びに来た。その時は、周囲は一面の田んぼだった。神社の向こうには、家など見当たらなかった。文字通り、町はずれだった。そんな記憶だ。
今は、右も左もその奥も、びっしりと住宅が立ち並んでいる。僕にとって、駅裏(城東地区)と並んで、この一帯ほど、時代の移り変わりを感じさせられる場所はない。