弘前市議会では、一般質問の際は、一問一答制を採り入れているが、予算委員会等は、一括方式のままである。つまり、例えば3つの事項を質問しようとする時は、最初に、それを全部質問してしまう。それに対して、理事者側も3つの事項全部の答弁を行う。再質問もそれに対する答弁も、再々質問もその答弁も、一括して行われる。
その中の一つの項目に絞って質問し、答弁を貰い、さらに再質問と答弁をする繰り返す。それが一通り終わってから、次の項目の最初に戻って質問をする、ということは出来ない。いいか悪いかは別として、そういう決まりになっている。
今日の予算委員会で、K産党会派の新人議員が、この誤りを犯した。最初に2つの項目を採りあげますと宣言しながら、一つの項目の質疑を続け、次の項目に移ろうとしたところを、委員長から指導を受けた。最初、新人議員は、よくその事情を呑み込めていなかったようにも見受けられた。
僕も、8年前、最初に質問に立った時、同じようなことをしたことがある。その時は、議場で、先輩議員から強くたしなめられた。今回のようにやんわりとではない。罵声に近い野次も飛んできたような記憶がある。
言い訳をさせてもらえば、だって僕は、当時、全くの無所属だったのである。だれも、そんな議会のルールの細かいところまでは教えてくれなかった。
それに、随分と尖がった新人だったのだろう。先輩議員とはよく衝突をした。懲罰動議を喰らったこともある。無所属議員ゆえに、相談できる仲間も少なく、でも、そういう経験の中から、いろいろと覚えていった。
それに比べると、今日の新人議員は、さきほども書いたように、会派の一員である。他に、ベテラン議員が2人もいる。そういったことは教えてもらえなかったのであろうか?それとも、慣習を破ろうとする確信犯・・・? などと、他の会派のことながら、心配したりもした。
議会に限らず、世の中には、いろんなルールがある。時代にそぐわなくなったものもあれば、最大公約数の良しとするものとは異なるものもある。おかしなものであれば、変えていく努力は、いつの時代でも必要である。
一方で、悪法もまた法なのである。いきなりの掟破りは、徒に秩序をこわして終わるだけということだってある。先ずは守った上で、その是非を議論すべきだろう。
・・・なんて、8年前の僕からは、とても考えられない発言だ。大人になったなぁ。だって還暦だもん。