今泉昌一の 私事時事

前弘前市議会議員 今泉昌一の  私的なはなし、市的(?)なはなし

2015年11月

議員は道具?


 朝一番で、市南部のM地区に行ってきた。側溝が壊れていると、ある人から連絡があったからだ。
 行ってみると、確かに、一ヶ所だけだが、側面が崩落して、構内をふさぐような格好になっている。危険ということはないが、これでは、水が流れない。雨でもふれば大変だ。すぐにスマホのカメラに収め、道路維持課に掛け合うことを約束して帰ってきた。
 ここの町会では、以前も、側溝の改修を要望され、町会長さんと一緒に、実現に結びつけたこともある。街灯や、道路の舗装のことでも相談を受けた。比較的古い住宅地なので、インフラの老朽化が随所に目立つ地区だ。地元近くに議員もいることだろうに、こうして何かあると、僕に声をかけていただけるのは有難い。
 
 ・・・と、こんな仕事議員にはある。暮らしの御用聞きみたいなものだ。
 今年の統一地方選挙で、落選したある候補が、「議員は市民の道具です」というキャッチコピーを掲げて戦っていた。上手いこというなぁと思う反面、ちょっとした違和感も覚えた。だって、それは、議員の一面でしかない。
 さっきも書いたように、「こんな仕事ある」といっただけで、御用聞きが仕事の全てではないからだ。誰からも要望されなくても、自分で課題をみつけ、解決に取り組んでいく。むしろそっちの面の方が、本来大きくあるべきではないかと思う。
 今日だって、午後は、教育委員会会議を傍聴した。誰かから要請されたわけではない。市立図書館の指定管理制度導入について話し合われると聞いたからだ。これが、おそらく今の僕にとって、一番のテーマになっている。
 会議には、他にも3人の議員が来ていた。弘前大学の学生さんの一団も傍聴していた。それだけ、図書館の問題は関心が高いということなのだろう。
 その割に、会議は淡々と進んだ。以前聞こえてきた話では、教育委員の中にも、図書館の指定管理には慎重論があったとのことだが、今日の会議を傍聴する限りでは、全員が既に了承済みと見受けられた。
 ここに至るまで、充分な議論と、次善の説明がなされていたからなのだろう。今度は僕が、議会の場で、充分な説明を求めて質問することにする。
 まぁ、こんな具合に、御用聞きもあれば、訪問販売(押し売り)のような真似もする。勿論、デスクワークもある。
だから、議員は決して道具であるだけではない。
 だいたいにして、僕が道具だったら、こんなに使い物にならない道具はないだろう。釘を打てば曲がる。線を引けばはみ出す。水を汲もうとしても穴が空いている。そんな僕でよかったら、どうぞ皆さん、使ってみて下さい。

ミステリアスな一日


 弘前読書人俱楽部の、11月例会ブックトークを開催した。今日の講師(チューター)は、会員の蛯名さん。蛯名さんは、ミステリーファンであるだけにとどまらず、自ら創作もし出版もした、推理小説作家でもある。
 
 一口に、ミステリー、あるいは推理小説といっても、書くのは相当難しい。まず、突飛な発想力が必要である。密室・アリバイ工作・意外な凶器・一人二役三役etc、独創的なアイディアがないと、書き始めることすらできない。
 次に、それを支える、しっかりとしたプロットが必要だ。そして、事件解決へ導く確かな論理が求められる。予にも不可思議なトリックを思い付き、壮大な物語を展開しても、解決が「天からの啓示」というのでは、読者から石を投げられるだろう。
 つまり、推理小説作家は、発想力・構成力・論理力の三拍子が求められる。勿論、小説として成り立たせるに尾は、文章力も必要なことはいうまでもない。
 実は、かつて僕も、書こうとしたことがある。「ある日アパートの前に、すいかが13個置かれてあった」という不思議な実話をラジオか何かで聞いて、それをもとに、一本書いてみようと思ったのだ。
 しかし、如何せん、僕には発想力も、構成力も、論理性も無い。最初の謎から一歩も進められないままに、いともあっさりとお蔵入りさせてしまった。
 蛯名さんだって、一見、発想力も、構成力も、論理性も豊かそうには見えない(失礼!)。でも、彼は、しっかりと作品をものにしている。たいしたものだと、心から敬服する。
 あっ、そうか。作家として、もう一つ必要不可欠な資質があった。それは、最後まで書き上げようという根気というか根性というか、意欲を持続させる力だ。僕には決定的に、その力が欠けている。
 蛯名さんの話を聞くからというわけではないが、今日は一日、ミステリーづいていた。朝、昨夜読みかけのまま眠ってしまった「赤い博物館」を読了した。
 
 あんまり面白かったので、同じ作者の作品を、午前中、図書館から借りてきた。ついでに、大倉崇裕の本も一冊。
 
 僕は、これらの作品のような、あまり重々しくなく、理屈っぽいものが好きなのである。まぁ、僕自身が、軽いし(体重じゃないよ)、理屈をこねるのが好きだ。そんな性格が、読書傾向にも表れている。
 以前もこのブログで紹介したように、今年の江戸川乱歩賞作家は、青森県出身だ。蛯名さんにも、更に創作に励んでいただいて、乱歩賞を目指してもらいたい。
 晴れて受賞のあかつきには、その賞金で、是非一緒に飲みに誘って欲しい。・・・って本当に軽いなぁ、僕は。(体重じゃないよ)
 

ビードロ恋細工


 手帳を開くと、「10時  百石町展示館 びいどろの会」とだけ書いてあった。何だろうこれは? ビールの会ならいざ知らず、びいどろの会というものには入会した記憶がない。
 僕には、よく、こういうことがある。手帳を見ても思い出せない。
 以前にもこのブログにも書いたが、「13時 読書人倶楽部 」となっていたので、何なのかわからないまま、13時に倶楽部に行った。誰もいない。待てど暮らせど来ない。待ち合わせだったのだろうとは思うが、相手が誰だかわからないので、連絡のとりようがない。ただいたずらに、貴重な午後の数時間を浪費してしまった。
 でも、まだそうやって読めるうちはいい。手帳に書いた自分の字が読めなくなって、大事な約束をすっぽかしたことが、少なくとも2度ある。
 とにかく今日は、百石町展示館に行ってみた。そしたら、2階で、「びいどろの会  ステンドグラス展」という催し物が行われていた。会員手作りの作品の、展示即売会らしい。
 いやぁ、きれいだった。それぞれの作品がそれぞれの光を反射させて、ところ狭しと並んでいる。アクセサリー、壁掛け、ライトスタンド、ミニチュアハウスetc。
 
025

 僕は、万華鏡のコーナーで足を止めた。従来の万華鏡とは趣の変わった小品がいくつか展示されていた。 中でも気に入ったのがみつかった。と、そこで、恥ずかしながら、財布の中が空っぽなのを思い出し、一旦会場を出て、ATMでお金をおろしてきて、無事に購入することができた。係りの人は、「いい歳をして、わずか3000円のお金も持たないで、わざわざ銀行におろしにいくなんて、どんな人だろう?」と思ったかもしれない。
 そう、係りの人の話をすれば、会場には、そのびいどろの会の会員とおぼしき女性が何人も立っていた。 お客様が来ると、親切にいろいろと説明をしてくれる。その方々が、いずれステンドグラスに劣らぬ、綺麗な人ばかりだった。
 それにしても、何故僕が、この展示会のことを、手帳の今日の日付の 欄に、時間指定をしてまで書いていたのかの疑問は、とうとう解けないままであった。
 会員の誰かに誘われて約束したのだろうか? でも、見たところ知り合いは一人もいなかった。
 ひょっとしたら、どこかのバーのカウンターで、たまたま隣に座った会員の一人と意気投合して行くことになったのだろうか? 残念ながらそんな素敵な記憶には、いかに酔っているとはいえ、微塵も思い当たらない。
 ともあれ、今日は綺麗な物と綺麗な女性に、たくさん出会うことができた。幸せな一日であった。
 
 今日の「ビードロ恋細工」というタイトルは、だからといって、僕がその会員の中の一人に恋をしたというのではない。高田みづえのヒット曲からいただいたものだ。
 高田みづえは、何と言ってもデビュー曲の「硝子坂」が出色である。僕の好きな歌ベスト3を挙げるとすれば、①硝子坂 ②そんなヒロシに騙されて ③ビードロ恋細工 といったところだろうか。 

*この展示会は、明日の午後4時まで開催している。皆様も是非どうぞ。 

これも議会改革 


 定例議会初日。議案の説明、会期の決定等のあと、一般質問の順番を決める抽選が行われた。
 僕は、6番目。一般質問2日目(12月9日)の朝10時の登壇となる。いつもの通り、今回登壇する全議員の順番を以下に記載する。

 8日 加藤とし子 千葉浩規  木村隆洋 伏見秀人 佐藤哲
 9日 今泉昌一 越明男 栗形昭一 石岡千鶴子
10日 外崎勝康 尾崎寿一 工藤光志 松橋武史
11日 一戸兼一 野村太郎 小田桐慶二 石田久

 こうしてみると、2日目に、過去に市長に対して反対の立場で議論したことのあるメンバーばかりが並んだ。今回も、何が飛び出すかわからない・・・(?)

 ところで、今朝、開会前に、議長室に呼ばれた。何のことだろうと思ったら、会議の進め方のことだった。
 これまで、弘前市議会は、発言する議員を指名する際には、議席番号で呼ばれていた。議席番号というのは、当選回数の少ない順、当選回数が同じなら歳の若い順に、 1から28までが全議員に割り振られている。ちなみに僕は8番だ。
 で、例えば、僕が発言を求めて挙手をしたとしよう。そういう場合、議長は、「今泉議員」と言わないで、「8番」と指名してきた。議事進行がかかり、議長がそれに対して答える時も、「〇番議員に申し上げます」と切り出してきた。これは、人数の少ない委員会等でも同様だった。
 ところが、今は、本会議はラジオでの録音中継も行われている。ラジオを聴いている人には8番と言われても、誰の事だかわからない。といったような意見も議会に寄せられていたようだ。
 そこで、今議会から、番号ではなく、きちんと個々の名前で呼ぼうということになった。これは、大きな前進だと思う。直接、審議のスピードアップとかいった効果とは関係ないが、名前で呼び合うことは、個性を尊重するということにつながる。議会の雰囲気が大きく変わるのではないかと期待する。
 何事につけ、長い間続けられてきた習慣を変えることには、相応の勇気がいる。このたびの議長の決断に、敬意を表したい。

 夜は、議会報告会。1回パスしたから、半年ぶりの開催となった。暴風警報も出ている中、いつもと変わらぬたくさんの方々に、ご出席いただいた。
 声はまだまだ本調子には遠い。でも、1時間余、喋り続けた。明日、喉がどうなっているのか心配だ。 

スペシャリスト OR ゼネラリスト


 今日もまた、常任委員長として、市執行部からのレクチュアを受けた。明日から始まる定例議会に上程された、農林部関係の条例案や予算案について、担当課の方に来ていただいて説明をしていただいたのだ。
 こちらは、O副委員長と二人だけだったのに、開始時は、農林部各課からは10人以上も参加してくれた説明の終わった課ごとに順次退席いただいたのだが、議会前の忙しい時期に、申し訳ないことをしたような気もした。
 週明けの3日間は、こんな感じでレクチュアの連続だった。国会議員でも、国務大臣になると、毎日のように、官僚からのレクチュアがあると、何かで聞いたことがある。僕の場合、たった3日間、それも時間にすれば毎日1時間にも満たないレクチュアで、随分と仕事をした気分になった。大臣は、さぞや大変なんだろう。とてもなれそうにない。いや、そもそも間違ってもなれない。
 正直言って、僕は、農業の経験は皆無である。一度だけ、無職の時代に、知人に頼まれて、リンゴのもぎとりの手伝いをしたことがあるが、あれはけっこう難しい。地面に落とせば、そのリンゴはアウトなのであるが、あんまり景気よく落としたもので、一日で声がかからなくなった。
 だから、今日のように、農業政策について、事前に説明をしていただくと、とても勉強になる。提案書の字面や予算書の数字だけからは見えてこない、制度の仕組みや担当職員の努力もわかったような気になる。
 「お前、議員のくせに、今頃農業の勉強しているのか」とお叱りを受けるかもしれない。いやいや、ごもっともである。
 でも、僕は、そもそも、議員がオールマイティーである必要はないとも考えている。いろいろな分野のスペシャリストが、それぞれの知見と市民からの声を持ち寄って、互いの意見を尊重しながら、市政発展のために議論をする。それが議会だと思っている。
 その意味では、弘前市議会には、農業のスペシャリストはたくさんいる。福祉のスペシャリストもいれば、防衛のスペシャリストもいる。その中で僕は、自身の体験からいっても、商業については、最も精通していると自負している。又、図書館や学校図書についても、どの議員よりも多く、議会で質問をしてきた。思い起こせば、9年前、議員になろうと志した時に、目標にしたことは、①市内業者による市経済の発展、②中心商店街の活性化、③読書推進、④市民目線での議会改革だったのだ。
 だからといって、農業や他の分野を軽視しているということではない。知識や体験はスペシャリストでも、市政への想いという点ではゼネラリストであるべきだと思っている。
 3日続けて、議会ネタになってしまった。明日も開会日なので、議会のことを書く。以前に、ある友人から「議会のネタはつまらない」と言われたことが、耳の奥に残っている。明後日こそは、何かほかのことを書こう。でも、何が起こるかは、その日にならなければわからない。
 
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