今泉昌一の 私事時事

前弘前市議会議員 今泉昌一の  私的なはなし、市的(?)なはなし

2017年11月

演劇も落語も漫才も、そしてプロレスも


 一般社団法人弘前芸術鑑賞会の主催で、「三遊亭遊雀&ナイツ 二人会」を 開催した。弘前文化センター大ホールを、約8割方のお客様で埋めることができた。11月22日のブログで紹介した”夜の営業部”の成果も、少しはあったのかもしれない。
 しかしまぁ、僕も、様々なことに顔を突っ込んできた。30代の頃にすでに、カルチュアロードに「みちのくプロレス」を呼んできた。30年の時を経て、今も「つがるプロレス」のコミッショナーということになっている。
 書店を経営していたという立場上、作家や文化人の講演会は、数多く主催もしくは共催してきた。大江健三郎や瀬戸内寂聴の講演会を、弘前で行なったことがある。
 映画の自主上映会の実行委員も、数えきれないくらい経験した。これまた書店という立場上、美術貧や工芸品の展示会も幾度となく行なった。演劇は、以前、弘前市民劇場の運営委員を務めていた。音楽となれば、今年の6月に「走れメロス音楽祭」に加わった。
 かように、あちこちに首だけは突っ込んでいる。が、まさかこの歳になって、落語・演芸の、本格的な興行に参画するとは思ってもいなかった。これも一つの貴重な体験である。この経験を活かし、第2弾第3弾と続けていければと思う。
 落語と言えば、友人のKaさんが、落語ふぁんくらぶという団体を起ち上げて、年に数回、弘前で高座を開設している。来年の2月には、春風亭一之輔師匠をお招きするようだ。
 また、青森市や、県境を挟んだ大館市でも、定期的に落語会は行なわれている。12月2日には、僕の好きな柳家喬太郎師匠が、大館に来ることになっている。
 でも、そういった周辺の街を合わせても、せいぜい年に10回あるかないかだ。落語ファンにしてみては物足りない。
 それが、東京に行くと、とにかく毎日、4つの定席で寄席が開かれている。その他にも、毎日のようにあちこちのホールや特設会場で、独演会なり親子会なり一門会なり、なにかかしらが行なわれる。う、羨ましい。
 落語に限らない。音楽でも、美術展でも、演劇でも、地方都市での開催は、極端に数が少ない。地方都市の中でも、仙台や札幌と、他都市との間の格差も大きい。
 若者が都会に流出する理由は、決して「働く場が無い」ということだけではないはず。そういった文化・イベント面での都会への憧れ、地方都市に対する不満も、少なくはないものと考える(実際に、僕が40数年前、東京の大学を選んだのも、そういった理由に近い)。
 一般社団法人弘前芸術鑑賞会は、良質な舞台芸術を提供したい、皆で鑑賞したいという目的で結成された。何をどこまでやれるかは未知数だけど、イベントの主催、あるいは他団体への協力も含めて、弘前を楽しい街にしていこうという意欲を持って取り組んでいる.。
 あっ、まてよ、明日は。N響メンバーと仲間たちによる「ドリームコンサート」が、同じ弘前文化センターで行なわれる。先週の土曜日には、やはり同じホールで、前進座の「たいこどんどん」の公園も行なわれた。よく考えれば、弘前は、これでけっこう楽しい街なのだ。少なくとも、他の地方都市よりは恵まれているんだろうなぁ。(10019)
 
 

第41回議会報告会を終えて


 第41回目となる議会報告会を行なった。いつもよりは若干少なめ、それでも40人前後の皆様にご出席をいただいた。
 毎回、必ず来ていただいている方もたくさんいる。と同時に、毎回、初めてお会いする方も必ずいる。本当に頭が下がる思いだ。
 だけど、まぁ、もう11月も明日でお終いだ。既に、平成29年第4回定例議会も始まっている。9月議会の報告を、今ごろ行なうなんていうのは、僕の怠慢以外何物でもない。そこは深く反省する。12月議会の報告会は、せめて1月中には行えるようにしたい。
 で、今日は、前議会の報告だけではなく、 今議会に上程された、旧市立図書館の中央広場への移築問題も紹介した。
 この建物は、県の重宝にも指定されている。市政施行100周年の記念事業の一つとして、現在地に移築された。今では、市の観光スポットとして定着している。明後日からは、イルミネーションを施したイベントも行なわれる。
 それを、また、移転しようというのだ。市の担当者の説明によれば、移転に際しては、50%の国からの助成もあるという。
 しかし、と僕は迷ってしまう。その辺のことは、11月24日のブログにも書いた。
 そこで今日は、敢えてそのことをお伝えして、参加して下さった皆様の意見を聞いてみようと思った。新聞にも載ったので、関心も高かったとみえて、短い時間だったけど、お二人の方が発言して下さった。そういった意見を参考にしながら、来週の一般質問に臨みたい。
 本当は、一方的な報告会よりも、むしろ、こうした一つのテーマについて、多くの人と意見交換が出来る場を設けたい。僕が概要を説明して、あとは、専ら、参加者の質問に答えたり、意見を聞いたりする会だ。前からやりたいとは思っていたけれど、なかなか実現できないままでいた。今度は、実現させたい。
 例えば、弘前市立病院と国立病院の統合の問題などだ。市民に(議員にも)詳細が知らされないまま、事が進んだり進まなかったりしている。こういったことを、医療現場の人も招いて、みんなで語り合う会を、やってみたい。
 と、このブログに書いたからは、近いうちに必ずやる。とまで書いた以上は、やらなければならない。
 先日視察に行った四日市市では、市民との意見交換会(シティーミーティング)と議会報告会を、同じ日に、第一部第二部として、セットで行なっているという。それも一つのやり方だ。
 本来であれば、そのように、議会という組織として行えればいいのだが、当面は、僕個人でやってみよう。その折りには皆様も是非ご参加を・・・。
 と書いて、ふと気がついたのだが、今日の議会報告会の案内を、このブログには、書いて来なかった。反省。いつもより、参加者がちょっとだけ少なかったのは、そのせいなのかしら?(4132)
 

俳句の先生

 
 畏れ多いというか、怖い物知らずというか、無謀というか、不遜というか、恥知らずというか、俳句の先生をしてしまった。俳句を始めて、まだ3年足ずだというのに。
 遊びで行っている居酒屋の句会で、ここ2~3回、ちょっといい点を頂いているので、つい、調子に乗ってしまった。師匠の一八先生からは、お叱りを被るかもしれない。
 でも、まぁ、僕は自分の実力を弁えてはいるつもりだ。だから、今日だって、何かを教えるなんて大それたことではなく、初心者同士の句会の進行役を務めたようなものだった。
 参加者は七名。皆、初心者だったと信じている。もしも、上級者が混じっていたなんてしたら、赤面ものだ。
 でも、全員、巧かった。僕が講釈をたれる以前に、季語なり、句想なり、しっかりと考えて、投句下さっていた。講師より、巧い。
 しかし、まぁ、俳句の巧拙は、僕にはよくわからない。感性の問題というか、好き嫌いというか、選者の感覚次第でもある。
 そこをあれこれ言ってもはじまらない。今日は、作句の基本、例えば17音だとか、定型句だとか、季語が重ならないとか、季語が動かないようにだとか、字余りのことだとか、極めて基礎的な話を講義した。
 勿論、自分でも、その通り守っているかというと、実はそうでもない。今日僕は、締め切り10分前に思いついて、「ストーブの周りだけ掃き冬支度」という句を投句した。考えるまでも無くこれは、季語重ねである。まぁ、先生失格だ。
 でも、参加した皆さんには、それなりに楽しんでいただけたようにも思う。まぁ、芸術だとか、文芸だとか、難しいことは一切いわないで、自由に、闊達に、日本語を楽しんでいただければと思う。
 最後に一句。僕の句。「クリスマス、エクレア一つ買ってくる」。どうです? 一人暮らしの男の侘しさが滲みでているではないか。と、自画自賛。実は、初めて参加した句会で、いくらか点をいただいた句だ。句想云々よりも、今さらそういった古い句を持ち出す精神が、クリスマスのエクレアよりも物悲しい。
 わずか九句の応募であったが、同じような句想の物もいくつか合った。不思議なことにその中に、クリスマスを、陽気で楽しいものと捉えている句想のものは無かった。「鈴なれど みんな寂しき クリスマス」という仲間だけだったんであろう。
 まぁ、どうにかまた続けることができそうだ。来月のヒロカン句会のお題は、「大晦日」と、「お年玉」である。さっき述べた居酒屋句会の題は、「初雪」と「日勤買う」の二題。
 どちらにしても、例えばこのブログに投稿頂ければ、僕は有り難く、それをパクらせて(別名、活用させて)いただきたいと思う。よろしくお願いします。(7660)

僕に出来ること


 午後4時半。弘前高校前で、青森県書店商業組合のN理事長と待ち合わせた。一緒に、図書室担当の先生を訪ねるためだ。
 訪問の目的はこうだ。
 今年の春、書店組合では、「あおもり文学クイズ」なるものを実施した。青森県の文学に関するクイズが32問。解答して応募すると、全問正解でなくても、抽選で図書カードを進呈するという企画だ。僕もいささかお手伝いをさせていただいた。応募用紙を図書館に置いていただいたり、僕が係わっている団体の集まりなどで配布した。
 ところが、このクイズ、4月8日のブログにも書いたように、相当に難しい。そう感じたのは僕だけかと思ったら、他にもたくさん「難し過ぎる」という声があったという。正直、ほっとした。
 今年は、問題を、青森県立近代文学館の方に作成してもらったのだそうだ。それなら難しくなるのも当然だ。
 そこで、来年は、高校生に問題を作ってもらうことにしたという。青森高校、八戸高校、弘前高校の図書部の生徒さんに、それぞれの地域に関するものを作成してもらおうという試みだ。それは面白い。
 ということで、書店組合のN理事長と、母校の図書担当の先生を訪れたのだ。図書担当の先生には、ここのところ、別件でも何度かお会いしている。すっかり(?)顔馴染みになってしまった。
 反応は良かったと思う。聞けば、弘前高校には、図書部・文芸部の他に、名前は忘れたが、クイズ愛好会のような団体もあるのだそうだ。そう言えば、かつて高校生ウルトラクイズで優勝したことがある、なんて話題が、つい先日、同級生との会話に上がっていた。先生は、図書部だけでなく、そういった生徒達にも参加してもらえば面白いのではないか、とおっしゃってくれた。
 何はともあれ、これで、僕の役目は一つ終わった。あとは、書店組合と先生方とで、メールなりで連絡を取り合っていくことになるのだと思う。そんな感じで、人と人、あるいは団体と団体の、ネットワークの結節点になることが、僕にできる数少ない仕事の一つなのではないかと、勝手に自負をしている。
 勿論、来春の企画実施の折には、また率先して問題用紙を配布して廻りたい。N理事長が言うには、今年は弘前地区からの応募が少なかったのだそうだ。うーん、責任を感じてしまう。
 正直言って、僕自身も応募しなかった。だって、あんまり難しいんだもの。一応、周囲では、”文学青年(中年?)”で通っているのに、馬脚がむき出しになってしまう。
 来年こそは、是非チャレンジしてみよう。でも、もし、高校生の作った問題に歯が立たなかったら、それこそ読書人倶楽部もペンクラブも文学学校の講師も、全て辞退しなければない、なんて事態になりそうだ。その可能性は、決して小さくない。(2895)
 

男と女  今日のブックトークから


 弘前読書人倶楽部11月例会、 ブックトークが行われた。今日の講師は、読書人倶楽部会員の佐藤きむ先生。この地域の国語教育の第一人者だ。今でも、先生の薫陶を受けて国語教育に携わる多くの現役教師の方々が、先生を慕って、一緒に定例の勉強会を開催しているという。
 読書人倶楽部で講話をいただくのも、もう3回目になると思う。「困った時の佐藤先生頼み」の感もある。
 きょうは、「男」と「女」が、国語辞典で、どのように解説されているかを比較しながら、辞典の愉しみ方をお話し下さった。
 例えば、広辞苑第5版では、「男;人間の性別の一つで女でない方」「女;人間の性別の一つで、子を産み得る器官をそなえている方」となっているのだそうだ。 
 これに対し、新明解国語辞典第7版では、「男;人間のうち、雄としての性器官・性能力を持つ方」「女;人間のうち、雌としての性器官・性能力を持つ方」となる。
 さらに、三省堂国語辞典の1960年版には、「男;人のうちで、力が強く、主として外で働く人」「女;人のうちで、やさしくて、子どもを産み育てる人」とあるそうだ。これなんかは、現在では、噴飯ものだろう。
 それに懲りたか、同辞典の第7版では、「男;人間のうち、子種を作るための器官を持って生まれた人(法律にもとづいて、この性別を変えた人も含む)」「女;人間のうち、子を生むための器官を持って生まれた人(法律にもとづいて、この性別を変えた人も含む)」となっている。随分と時代に迎合しているようにも感じる。
 三者三様というか、十人十色というか、その微妙なニュアンスの違いを味わうのが面白い。
 ためしに、読書人倶楽部で蔵書している、明鏡国語辞典をひいてみた。「男;人間の性別で、精子を作る器官を持って生まれたほう」「女;人間の性別で、卵子を作る器官を持って生まれたほう」とある。どれも、他の辞典と、そっくりそのままに重ならないよう、苦労している様が分かる気もする。
 他にも、「愛」とか「恋愛」が、どのように定義されているか、「男」や「女」を使った慣用句にはどんなものがあるかなど、辞典を引くからこそ得られる楽しみ方を、教えていただいた。先生は、様々な言葉を比較してみた結果、新明解国語辞典が、読んでいて最も面白いとおっしゃっていた。 そう言えば昔、「新解さんの謎」というベストセラーがあった。新明解国語辞典の中の、味わい深い解説を、面白おかしく紹介していた。
 僕も、実は、国語辞典ファンの一人である。机の上には「岩波国語辞典」が、本棚には、「広辞苑第3版」「大辞林」「大辞泉」「講談社カラー版日本語大辞典」「広辞林」などが並んでいる。
 とは言っても、普段使うのはハンディーな「岩波国語辞典」が専らで、本棚から、それらの重い大型辞典を引っ張り出す機会はめったにない。でもまぁ、手を伸ばせば届くところにあるだけで安心する。僕ら凡人にとっては、それが大型国語辞典の存在意義なんだろう。きっと。(7543)
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