先週行われたある句会。お題は「大晦日」だった。「大晦日 することもなく 本を読む」と詠んだところ、参加者から総スカんを喰らってしまった。
特に女性軍から。
「何言ってんの。主婦は大晦日は忙しいのよ」
「はい、ごめんなさい」
「そうよ、猫の手も借りたいくらいなんだから」
「はい、でも、猫の手よりも不器用なもんですから・・・」
そうしたら、男性も口を挟んできた。
「そうだよ。俺だって、餅を切ったり、買い物に行かされたり、けっこう忙しいんだから」
「・・・」
僕だって、大晦日に、のんべんだらりと過ごしているわけではない。今日も、神棚の注連飾りを取り替えて、御供えを飾って、床の間の掛け軸を掛け替えて、玄関に来年の干支の置物を出して、買い物に行って・・・と、けっこう活躍したのだ。エッヘン。って自慢するほどのことでもないか・・・。
考えてみれば、書店経営時代は、午後5時まで営業していた。店を閉めた後、数カ所に飾ったお供えを拝んで回って、家に帰れば6時過ぎになった。
家族で、年越しを祝うのもつかの間、午後11時過ぎには、また店を開けに出かけた。元日午前0時から全店オープンという企画を、商店街で行なっていたのだ。
家族で、年越しを祝うのもつかの間、午後11時過ぎには、また店を開けに出かけた。元日午前0時から全店オープンという企画を、商店街で行なっていたのだ。
そんな意味では、句会参加者の誰よりも、忙しい大晦日を過ごしていた時期もある、といっても過言ではない。
でも、大晦日と言えば、幼い頃の退屈だった年を思い出す。大人はみんな忙しそうで、かといって、近所に遊び友達もなく、行くところもなく、ただただ1日が長かった。そんな記憶だけが、何故か強く残っている。
と書きながら、今夜ももう「することがなくなって」きた。紅白歌合戦をみても、半分以上が知らない歌手なので面白くない。明日も早いので、そろそろ布団に入ることとするか。
「大晦日 することもなく 床につく」
皆様、よいお年を。