弘前市民会館の大会議室で、「弥生の森を考える」というセミナーが開催された。僕は、主催団体の一員として、司会を務めさせていただいた。
役を仰せ付かったのは2ケ月程前だったのだが、次第を見ながら打ち合わせをしたのは、今日の開会1時間前。案の定、目一杯とちってしまった。
今日のこのセミナーは、弘前市と、弥生スキー場問題を考える市民ネットワークの共催で行なわれた。この2つは、かつては、スキー場跡地への大型児童館計画について、激しく対立していた。訴訟まで起こした。
でも、ここ数年は、一致協力して、スキー場跡地に残された豊かな自然を、いかに活用するべきかという課題に取り組んでいる。明日行なわれる、子ども達と保護者を対象にした自然観察会も、両者の共催だ。

自然はただ残せばいいというものではない。上手く利用してこそ活きてくる。自然を活かすことで、環境・教育・コミュニティー・貧困格差の是正等、様々な課題解決の糸口も見えてくる、というのが高川さんのテーマだったと僕は受け取った。
講演終了後、質疑応答に移ったが、あまり活発に手があがらない。途方にくれていた司会者に、高川さんは手を差し伸べてくれた。用意してきてくれたシートを使って、即興でワークショップを始めたのだ。
シートの内容は、① 地域の課題 ② 弥生の自然の特徴 ③ ②を活かすことで①の解決につなげる方法を妄想する、といった順番だった。
僕らのグループは、僕と市の職員だけ。さすがに地域の課題については日頃からいつも考えている。①と②は、即座にたくさん出てきた。
だけど、いかんせん、僕も含めて、日頃から、条例や規則・それ予算に縛られてという、超現実的な世界に生きている。③の”妄想”の段に入ったとたんに、急に議論の速度が落ちてしまった。ひょっとしたら、議員も職員も、時として突拍子も無い空想世界に遊ぶことも必要なことなのかもしれない。
だけど僕は、艶っぽい”妄想”ならば、決して苦手ではない。先日の句会で、「夏の背に 透ける進入禁止線」という句を出して、ごく一部では好評を博し、その他大部分からは顰蹙を買ってしまった。(6217)