「恋に堕ちて」。なんて意味深なタイトルであろう。だけど、残念ながら、これは僕自身の話ではない(本当に残念だ)。同い年の友人のことである。叶わぬ恋に悩んでいる。
今夜は、その相談を受けていた。飲み放題1180円の居酒屋でのことである。
断っておくが、これは、極めプライバシーの問題であり、現在進行形のことでもあれば、当の本人の名前はいざしらず、安易にイニシアルすら書くわけにもいかない。ましてや相手の素性など、例え知っていたにせよ、 間違っても明かすことはならない。
でも、考えてみれば、63歳にもなって、恋に陥ることができるということは、良い意味にせよ、悪い意味にせよ、驚嘆に値する。それなりに、家族もいれば、社会的な立場もあるのにも係わらず、
自分の恋心を、赤裸々に告白出来る人は少ない。それなりに、彼は真剣なのだ。
ただ、彼は相談する相手を間違えた。僕に恋愛相談だなんて、180度のお門違いだ。
何せ、いろいろな本は読んできたが、最も苦手なのは”恋愛小説”だ。渡辺淳一や村上春樹ですら、途中で読み進められなくなってしまった。
結局、最初の居酒屋では、単に飲んで彼ののろけとか愚痴を聞いたに過ぎなかった。
でも、次に行ったスナックでは、そこのママが、彼の言い分を、真摯に聞いてくれた、それだけでも、彼にとっては幸せだったのだろうと思う。
はてさて僕には、誰かに打ち明けたくなるような、心の底からほとばしるような、恋の悩みというものがあるのだろうか? 「無い」わけでもない。だけど、「ある」とも公言できない。そんな話を書き始めれば、いくらでも筆が進みそうな気がする。でも、何せ選挙前だ。女性票を失っても困る。今日は、ここいらでストップしよう。(6090)
追伸
小林明子の「恋におちて」は、不朽の名曲だと思う。が、今日、2次会に行ったカラオケスナックで歌ってみた。散々の出来であった。もう二度と歌うことはないだろう。