
今日の説明によると、弘前文化センターは、令和3年4月1日から、令和5年3月まで、改修工事のため、まる2年間休館となる。大幅な改築や増築ではない。現在の建物の中で、老朽化した電気・配管等の更新や、石綿製品の除去、バリアフリー化、省エネ化等を主眼に、改修を行なうのだそうだ。
そこで、はたと疑問が湧いた。それだけの工事で、果たして2年間もかかるのだろうか? 文化センターより遙かに規模の大きい、そして築年数も古かった市民会館でさえ、改修のための期間は1年であった。あの時は、ホールの座席を一新し、オーケストラピットにも手を加え、楽屋へエレベーターも設置した。それでも1年で終わった。
休館期間が長くなって困るのは、日頃、文化センターを活動拠点としている、市民団体、文化団体である。今日も、代替施設についての質問が、複数の人から出された。説明側は、市内や周辺の類似施設について情報は伝えるとは答弁したが、場所の確保までは言及しなかった。
また、渡された資料の中には、平川市や五所川原市、あるいは隣県の大館市の同規模のホールのことまで書かれていたが、これはいささか無理があろう。平川市だって五所川原市だって大館市だって、自分の市の住民を優先することと思う。弘前の人が、いきなり行って使わせてくれと言ったって、思うように使えるのであろうか?
他にも、利用している団体から、たくさんの質問が出た。一番多かったのは、施設についての自分たちの要望が反映されるのか、といった点であった。複数の書道・美術・音楽の団体等から、より使いやすい施設・設備を求める声が上がった。少なくとも、これから基本設計を進める段階では、市民の代表も協議に加えて欲しいという意見が多かった。
それに対する答弁も、あまり明確ではなかったように思う。「やります」という断言はなかった。「やれるように検討します・・・」といった感じに、僕には聞こえた。
全体的に、説明する側に、元気がなかった。自信がなさそうに小さな声で答えていた。これでは、参加者には逆に、不安とフラストレーションを与えたかもしれない。
弘前市は、昨年、突如として「市民参画センター」を閉鎖した。そのお陰で、行き場を失い、活動拠点を求めて漂流している市民グループも、まだあると聞く。
その上、文化センターの長期休館だ。「市民力の向上」を標榜していたにもかかわらず、逆に市民活動を停滞させるような方向に進んでいるような気がしてならない。
予算委員会での質問のネタが一つ増えた。これ以上増えると、持ち時間が足りなくなってしまう。(6395)