弘前市役所本庁舎本館の最上階が、市議会議員フロアとなっている。 正面階段を上りつめると、すぐ左側に議会事務局があり、奥に廊下が延びていて、その両側に、議長室、議会図書室、委員会室、そして議員の控室が並んでいる。
その議会フロアでちょっとした異変が起こった。異変というほどのものではない。控室に鍵が掛けられたのだ。これまでは、庁舎が開いている間であれば、いつでも控室に出入りをすることが出来た。これからは、一回一回事務局に顔を出して、施錠を解いてもらわなければならなくなった。
控室は、各会派に一つ割り当てられている。無所属議員は3人で一部屋だ。当然のことながら、会派の人数によって、大小の差はある。
控室は、文字通り、議会開会中の休憩時等に利用されている。昼食を摂ったり、採決の確認をしたり、雑談をしたり・・・。どこも似たような感じだ。
逆に閉会中の使われ方は会派によってまちまちだ。僕らの会派は、最も多く使っている方だろう。しょっちゅう集まっては打ち合わせを重ねている。ここを拠点に、次の行動に移すことも多い。今日も、一旦控室に集合したあと、委員会室を借りて、無所属のNa議員も加えた3人で、令和元年度の決算についての勉強会を開いた。
だから、控室を使おうとするたびに、事務局に声をかけて鍵を開けてもらうということには、ちょっと面倒臭いと感じないこともない。
どうしてこんなことになったのだろう? 僕は議員にならせていただいてから14年目になるが、控室に鍵が掛かっていないことで、何か問題になったという記憶は一つもない。盗難にあった経験もないし、盗聴器を仕掛けられたということもなさそうだ。盗聴されて困るような発言はしていない。大体にして、控室に貴重品を置きっ放しにする人もいないだろうし、そこからプライバシーを覗かれる心配もないはずだ。

数年前、富山県の氷見市を視察した。そこの市長室は、文字通りガラス張りで、オープンにっている。見られて困ること、聞かれて困ることはない、いやむしろ見て欲しいという自信と覚悟があるからこそ、そういうことができる。
それに反して、鍵を掛けなければならないという環境は、何か寂しいなぁと、一人で感じている次第なのである。(7478)
追伸
「鍵」と言えば、ミステリーファンの僕は、すぐに密室を思い浮かべる。
明日の朝、鍵のかかった議員控室の中で、もし後頭部に打撲の痕がある僕の死体が発見された。すわ! 密室殺人か!?
いやいや、自分で鍵をかけて、そのあと滑って転んで、机に頭をぶつけたんだろう、くらいにしか思われないだろう。きっと。