激動の令和2年度が終わった。いやいや、”激動”というのは当たらない。コロナのおかげで、何も動けなかった一年が終わったというべきか。
その年度末に、とんでもない事件が起こった。
昨日、青森から帰ってきてスマホを開いたら、留守電が入っていた。介護保険課からだった。
折り返し電話をかけると、予算のミスがあって、それを議員1人1人に説明したいとのことだった。電話で聞いた話では、3月18日の本会議で、介護保険特別会計の補正予算案を可決承認したのだが、その後精査したところ、青森県国民健康保険団体連合会へ支出する保険給付費が、3億円強不足することが判明したという。すぐに同じ会派を組むTa議員と連絡を取り、その説明の時間を、今日に設定した。
今日の午後、約束した時間に控室に現れた担当職員は、心なしかやつれているように見えた。おそらく、昨日から、議員への説明に追われていたのだろう。
それにしても、3億とは大金である。府中で白バイ警官に扮装した犯人が、現金輸送車から強奪した金額と一緒だ。あの時は、日本中が大騒ぎとなった。
説明を聞くと、ミスの原因は、表計算ソフト(Excel)の数式の不備だという。”不備”って何だ? と聞いたら、職員の誰かが打ち間違えたらしいとのことだ。
いやはや、僕も、酔っ払って、よく間違えることはある。でも、市の職員が業務として行なう作業に、そんな初歩的なミスがありうるのか? あったとしても、年度末ギリギリまで、どうしてそれがわからなかったのか? ということを質問し、改善を求めた。
これは実は、由々しき一大事なのである。市政運営の根幹たる予算案が、充分なチェックもされすに議会に出されていたことになる。議場における発言すら覆したということにもなる。議会軽視と言われてもしかたがない。
しかしまぁ、ここで、説明に来た職員を怒ってもしかたがない。言いたいことは他にもあったが、そこはぐっと抑えた。
問題は、今回の件だけではない。以前にも、見積もりの甘さから、学校へのエアコン設置にかかる経費について、緊急に補正予算を専決処分したこともあった。
そういったこともあって、市役所全体に気の緩みが見られる。緊張感に欠けると感じているのは、どうやら僕1人ではないようだ。議員同士も含め、多くの人から同じような声を聞く。「市民ファースト」のはずが「職員ファースト」になっているんじゃないかと、手厳しことを僕に意って来る人もいる。
職場の中が和やかだというのは、素晴らしいことだ。でも、それと”ナァナァ”でいいということとは別問題だ。
僕は、先刻バレているように、私生活では、自分には甘く他人にも甘い人間だ。でも、こと議会に関しては、相手側には厳しさを求めたいと思っている。・・・だから嫌われる。
そしてまた、こんなことをブログに書くから、さらに輪をかけて嫌われる。他人と諍いを起すのは、本意ではないのに・・・(12572)