このブログに、若い読者(20代・30代の・・・、いや別に40代・50代でもかまわないのだが)がいるとすれば、読書についてひと言伝えておきたいことがある。本にも賞味期限・消費期限があるということだ。
今朝起きがけに湿布薬を塗ったら、腰の痛みはだいぶ和らいだ。そこで、今日こそはと思い、3日間先延ばししていた仕事を片付けた。歩道にあいた穴の補修のことで道路維持課、ペンクラブ関係の書類提出のために文化財課へと、車で移動した。この2つは、本庁舎内とは離れた所にあるが、僕の家からだと、ほぼ同方向にある。
途中、市立図書館に寄った。リクエストしていた本が入荷したと連絡が入ったからだ。
が、リクエストしたのは3月。3ヶ月も前の話だ。一瞬、何を頼んでいたのかを思い出せなかった。
これには事情がある。もう1冊、割りと人気のある本も、こちらは順番待ちの予約をしていた。多分、その本が貸し出せるようになって、2冊揃ってから電話をくれたのだろうと思う。
それにしても、3ヶ月は長い。昔、書店を経営していた頃、客注を受けると「入荷まで2週間ほどかかります」と言っていたものだ。それでも「遅い!」と叱られたことが多々ある。
今となれば、そのお客様の気持もわかる。本は、読みたいと思った時が”旬”なのだ。あまり時が経てば、読もうという意慾も減退する。特に、種々雑多の情報が氾濫している今のような時代では、興味の対象は目まぐるしく変っていく。
これが賞味期限だ。だから、書店の棚の中からシンパシーを感じた本があったら、後で図書館から借りようなどとは思わずに、その場で購入することを薦める。
消費期限は、もっと切実だ。食品で言えば、口にすることのできる期限だ。本の場合、これが読むことのできる期限ということになる。
読書とは、単に目で活字を追うことではない。視力や、内容を理解する脳の力はもとより、体力も気力も消耗する。そしてそれらは歳とともに確実に衰えていく。読みたくても読むことのできなくなる期限がくる。
僕の場合、つい春先までは、夜、布団に入ってから眠りに就くまでの数10分と、朝、目覚めてから布団を這い出るまでの数10分が、限られた読書タイムだった。もともと、極度の睡眠障害で、なかなか寝付けない質だったので、読書が絶好の睡眠導入剤でもあったのだ。
それが、ここ数ヶ月は、疲れているせいか、あっと言う間に眠りに堕ちる。本を開いても、ものの1ページも進まないうちに寝入ってしまっている。相変わらず夜は何回かトイレに起きるが、朝は目覚ましが鳴るまで目を閉じている。読書タイムが無くなったのだ。明らかに体力・気力が衰えている。
だから、若い人に言いたい。読みたいと思って手に入れた本は、すぐに読むこと。努々、歳をとって暇になってから読もうなどとは思わないことだ。僕の本棚でも、そういう本が、埃を被って泣いている。
そんな有様だから、今日借りてきた本だって、いつ読めるかわかったもんじゃない。まぁ、3ヶ月待たされた本だから、返却も3ヶ月後くらいで・・・というわけには間違ってもいかない。(3885)
追伸
で、3ヶ月待たされた本というのがこれである。
わざわざ取り寄せて貰えるだけでも、有難いと思わなくてはいけないなぁ。