今泉昌一の 私事時事

前弘前市議会議員 今泉昌一の  私的なはなし、市的(?)なはなし

2022年07月

無人島へ


 
「無人島に一冊だけ本を持って行けるとしたら、何を持って行くか?」 昔から話の種によく使われてきた設問である。西洋人であれば、「聖書」と答える割合が、比較的高いのかもしれないが、日本人の多くには、そういった一家に一冊必備をしておくような、万人共通の愛読書は無いようにも思う。 
 一昨日、弘前読書人倶楽部で、たまたまそういった話題になった。僕の恩師であるSa先生は、さすがに元国語の教師である。「広辞苑」と答えた。そう言えばSa先生は、僕が書店を経営していたころ、広辞苑の改訂版が出れば、必ず購入していてくれた。
 僕は、一冊物の百科事典なんてどうですか? と言った。そうしたら、その時居合わせた人は、怪訝そうな表情を浮かべた。どうやら全員、百科事典と言えば、全〇巻なんていう、重厚長大な物じかイメージにないようだった。
 昨日のブログにも書いたように、僕は中学時代は、部活に入っていなかった。テニス部の友人の練習が終わるのを待って一緒に寄り道をする時もあったが、一人で帰る日も多かった。
 そんな時、家でどうしていたかというと、たいがいは本を読んでいた。学校から帰ると夕食まで読書をするといった生活だった(名誉のために断っておくが、”本”の中には、当然漫画も含まれている)。
 それともう一つ。一冊物の机上版百科事典で遊んでいた。例えば、目を閉じて適当にページを開き、そこに知っている人名が載っているかどうかなんてことで、一人で楽しんでいた。プロ野球に喩えて、「おっ、今日の打率は3割を超えた」なんて感じで遊んでいたのである。
 百科事典今日、来客があるというので、慌てて部屋を片付けた。すると本棚の奥から、その頃遊んでいた百科事典が出てきた。懐かしい。
 奥付を見ると、1968年発行とある。そうか、中学1年の時だったのだ。多分、父が買ってくれたものだったと思う。
 今思えば、そういう生活を、高校に進んでからも続けていればよかった。そうすれば今頃は博士か大臣か・・・。  
 でも、高校では山岳部に入り、プロレスに明け暮れてしまった。それはそれで、有意義な3年間ではあった。
 山は、せいぜい大学生のうちは、年に一度くらいは登っていたくらいで、長続きしなかった。プロレスは、爾来、50年余の付き合いになっている。
 というわけで、僕が無人島に持って行く本は、「日本プロレス70年史」に落ち着きそうだ。
著者 :
ベースボール・マガジン社
発売日 : 2021-01-06

誰のための部活? 


 令和5年度から、中学校の部活動の地域移行が始まる。当面は、土日祝日のみだが、いずれ部活は、完全に学校の手を離れる(?)ことになる。
 令和5年度と言えば、もう来年だ。が、今のところ、弘前市では表だった動きがない。そのことを心配している人も少なくはない。
 部活今日は、「学校部活動の地域移行フォーラム」というものに参加してきた。NPO法人スポネットの主催だ。代表のSさんからは、以前も問題提起をされたことがある。
 冒頭、この件に関する国の提言について説明があった。どうも、”教員の働き方改革”が発端のようで、決して子どもたちのことを考えてのことではなかったようだ。僕なんかはそこにちょっとした違和感を覚える。
 が、それは置いておいても、今、学校の部活は、大きな岐路に立たされている。極端な生徒数減少だ。例えば弘前市の数字でも、1985年に8300人いた中学生が、今は半分以下の8500人強しかいない。その結果、野球やサッカーなどのチームスポーツでは、チームが編成できないといったことが現実に起きている。
 更には、生徒数の少ない学校には、当然ながら、配置される教員数も少なくなる。すると、競技経験のない教員が指導に当たらなければならなくなる。一部の教員に負担がかかる、といった問題もある。それらを解消するための国の方針なのだろう。
 でも、ことは、霞ヶ関のお役人や、有識者と言われる検討委員会の方々が考えるほど簡単にはいかない。移行される”地域”の側の受け皿について、検討し決定していかなければならない課題が多い。
 例えば、指導者はどうするのか、活動する場所や施設をどうするのか、保護者の負担はどうなるのか、練習場あるいは試合会場までの移動はどうするのか、受け皿となる組織の財政負担はどうなるのか、移動や試合中の事故に対する保健はどうなるのかetc。これまで学校活動の一環として当り前に行われてきたことが、当り前ではなくなるケースだって想定される。  
 今日のパネリストの方々は、口を揃えておっしゃった。「学校・教育委員会・保護者・地域住民・受け皿となる団体、そして子どもたちを交えての話し合いの場をつくることが、最も大切だ」と。  
 そう、子どもたちを加えることがポイントだと思う。大人の都合や事情で、子どもたちの声がかき消されるようなことがあってはいけない。
 教育要領上では、部活はあくまで”自主活動”なのだそうだ。だったら、勝利を目指さなければ、練習や運営を生徒の自主性に任せたっていいではないか。そうすれば、少なくとも、指導者をどうするかという問題は解消できる。保護者は、安全管理だけでいい。という考え方もあると、高崎市の総合型地域スポーツクラブの理事長はおっしゃっていた。
 今回の地域移行の問題は、単に制度や技術上のことばかりではない。これまで学校部活動に任せっ放しにしてきた青少年スポーツの在り方を見直すとともに、勝利至上主義に楔を打ち込み、スポーツに取り組む意義や目的を再考するいいきっかけとなるのではないか。
 と、中学生の時に、完全帰宅部だった僕は考える次第である。(4616)

 追伸
 今回の措置は、運動部だけではない。合唱や吹奏楽等の文化部もまた、地域移行が迫られている。この件については、いずれ項を改めて書きたい。

 追伸の追伸
 弘前市議会会派さくら未来では、秋に、部活の地域移行に先進的に取り組んでいる都市を視察してくる予定である。、

Tool Box


 7年前、「議員は市民の道具です」とスローガンを掲げ、市議会議員選挙に立候補をした友人がいた。惜しくも落選したが、おそらく他の誰よりも政策通だったろうと思う。
 が、正直言って僕は、そのスローガンは、ちょっと違うんではないかと感じていた。親しい間柄だったし、お互いの政治信条に口を挟むべきものではないので、黙ってはいた。
 議員の本分は、議場に置いて、しっかりとした信念と責任を持って議論すること、提案すること、表決をすること、だと僕は考えている。”市民の道具”などというと、まるで”御用聞き”、”代書屋”、”口利き屋”のようなイメージも持たれかねない。僕らは、市役所への”萬取次所”ではないはずだ。
 が、そうは言いながら、あれこれと頼まれれば、それを断れない。依頼者のために精一杯動かなければならないことも、厳然たる事実である。
 今日も、相談を受けるために隣の行政区域まで行ってきた。弘前市は全部で10の市町村と境を接しているのだが、あまり事を大きくしたくないという相談者の希望で、そこがどこかをここで書くことは差し控える。
 ある人にそのことを話したら、「何故、弘前から出張っていくのだ? そこの議員はそんなに信用がないのか」と言われた。そんな意味では勿論ない。弘前在住の方の、勤め先のそばで待ち合わせたということだ。
 相談内容は、簡単に言うと、あるトラブルを巡るそこの役所職員の対応についてだった。それこそ僕が出来ることの範疇を超えている。僕がその役所に怒鳴り込むなんてことはやめておいた方が無難だ。
 でも、話を聞いて、解決方法を一緒に考えるのもまた議員の仕事だ。弘前市の事例を挙げて、いくつかアドバイスをした。 
 今日に限らず、他にも、様々な頼まれ事がある。公のことばかりではない。近隣トラブルや離婚、金銭トラブル等々、行政や議会と関係のないことも多い。時には、全くの身の上話の聞き役に徹する場合だってある。
 そういった意味では、確かに議員は”道具”と言ってもいい。しかも、大工道具だとか事務用品だとか調理器具だとかOA機器とかといった、特定の目的をもったものではなく、色んな道具が詰め込まれた”Tool Box"のようなものかもしれない。
 この”Tool Box"というのは、数年前に若くして死んだ、友人のKa君が経営していたデザイン会社の名前だった。中学の時からの親友だった。僕のホームページの作成を彼に頼もうとしてた矢先のことだった。改めてご冥福を祈る。
 「議員は市民の道具です」といったU君も、選挙前には相談の電話も入ったりしていたのだが、その後は、音信が不通である。亡くなったとは聞いていないが、元気でいるのだろうか?
 こうして、何人もの友人が、いつのまにか目の前から消えて行った。世の習いとは言え、寂しさは禁じ得ない。(8737)

抗原検査の薦め


 コロナの猛威が留まるところを知らない。青森県においても、昨日は1509人。弘前保健所管内は323人の新規感染者数が発表された。今日も、午後4時半現在、みなし陽性も含めて1577人。弘前保健所管内で274人の感染が確認されたという。
 第6波の時の比ではない。現実に、ごく身の周りの近しい人の中にも、感染者が出はじめている。
 それなのに、国も県も、積極的な対策を打ち出していない。行動規制や営業規制もなく、ただなるに任せているような感もしないではない。
 弘前市だって、第6波の時は、一日の感染者数が100を超えるようになった段階で、まん延防止等重点措置適用が適用された。公共施設も一斉休館となった。街じゅうに、危機感が溢れていた。それが、わずか半年前のことである。
 それに比べて、今のこの緩さは何なんだろう? 別に規制を強めろとか、社会経済活動を止めろなどと言うつもりはない。前回と今回の対策の違いに、ただ首を傾げているだけだ。
 コロナウィルスでも株が違う、種類が違う・・・などと言われても、僕ら素人にはわからない。何故、今回は規制しなくてもいいのか、わかりやすくアナウンスをしてもらいたいと思っている人は、決して僕だけではないはずだ。  
 こういうご時世だからこそ、早期発見というか検査態勢の拡充は重要だ。例えば、県を跨いだ移動をしてきた人などが、簡単に検査を受けられて、仮に陽性だったら、誰かに感染させる前に、自主的に保健所や医療機関に申告する。自宅で療養する。といったシステムが作られれば、少しは感染拡大を抑えられるのではないかとも思う。
 多くの人にとって立ち寄りやすい場所に検査センターをつくるとか、出張帰りの人に検査キットを配るとかといった対策はとれないものなのだろうか? 
 かくいう僕も、今週は、県を跨いだ移動をしてきた。それも鹿児島から弘前へという大移動だ。福岡空港や羽田空港を経由してきた。当然、マスクは外さなかったが、感染リスクは決して低くはない。
 抗原そこで、さっそく市販の抗原検査キットを購入して、今朝、おそるおそるやってみた。長い綿棒を自分で鼻の奥に入れ、検査紙につける。段々と検査紙が赤くなっていく。怖い。待つこと15分。結果は・・・。
 陰性だった。まぁ、これで一安心だ。知らず知らずのうちにウィルスをまき散らしているなんてことは、取り敢えずはないということだ。
 安心し過ぎて、帰りにまた一杯ひっかけてきてしまった。コロナ感染よりも、肝臓の方が心配だ。(8235)

詭弁の復習

 
 一昨日以来、このブログでご報告したきたように、2泊3日の議会運営委員会の行政視察に行ってきた。一日目は、弘前から鹿児島までの移動。今日も鳥栖から福岡空港まで行って、そこから羽田乗り継ぎの航空便で帰ってきた。
 朝、ホテルを出たのが午前8時。弘前市役所に着いたのが午後3時過ぎ。都合7時間強に渡る長旅だった。一日目に鹿児島まで行くのもほぼ同じ。都合、往復14時間の大移動。いやはや九州は遠い。
 その距離を肌で実感したのが空港だ。初日、鹿児島空港に降り立った時のことは、25日のブログにも書いた。とにかく、ボーディングブリッジを渡るだけでも、暑さにめげそうになった。が、今日、青森空港のターミナルビルの外に出ても、全く暑さは感じなかった。やっぱり、青森は過ごしやすい。
 さっき、往復14時間だなんて、大袈裟なことを書いてしまった。勿論その中には、空港までの時間や、乗り継ぎの待合時間ども含まれている。実際に飛行機に乗っていた時間は、3時間ほどか?
 そういった時間が、僕にとっては、実は読書最適時間にもなっている。だから、これまでも、出張や視察に出る際には、一日一冊のノルマ(?)を課して、本を2冊、バッグに忍ばせて行っていた。
 が、悲しいかな、歳には勝てない。眠気と戦いながら、持って行った中の1冊は、何とか読了した。その本というのがこれ。再読だ。
 今回の視察のテーマは「議会改革」。その中でも、議員間討議とか、理事者側からの反問権といったことが焦点だった。
 という最中に「詭弁の話術」なんて本を読む。まるで僕が、詭弁を弄して議会をミスリードさせようとしているみたいに思われるかもしれないが、そんな意図は毛頭無い。
 でも、この本にも書かれていたが、実際には、政治の世界は、政府も閣僚も、J民党もK産党も、詭弁の応酬だらけだ。それを見抜く力、応用する力を身につけるためにも、こういった本を読むことは必要なんだろうと思う。
 ついでに言えば、その本には、男と女の駆け引きにも詭弁が大切だとも書いてあった。議会での詭弁は得意だが、どうもそっちの方は苦手だ。しかしまぁ、今さらそっちを勉強したってどうしようもないなぁ。
















































































































































































































































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