「青森県政を考える会」というグループがある。客観的に見て、どちらかというと革新系の人が多いが、だからといって決して特定の政党の支持者ばかりでもなく、是々非々の立場で真面目に県政について調査をしたり提言をしたりしている会だ。
昨年、僕が県議選に立候補しようと思い立った理由の一つが、この会が発行している会報にある。この会では、県議会においてどの議員がどんな発言をどれくらいの回数発言しているかを悉に調べていて、それが掲載された会報がネットで公開されていた。それを読むと一度も発言していない議員が半分くらいいる。そんなんでいいのか!という一種の憤りが、僕を突き動かす一因となった。
が、更に深く係わるようになったのは、昨年の秋のことである。青森県の文化政策についてというテーマで、会からインタビューの依頼があった。言うまでもないことだが、僕はそんな大それた取材をされるような資格はない。でも根っからのお調子者なのでホイホイと引き受けた。それがきっかけだ。
しばらくすると、インタビュー記事の校正依頼が、メールで送られてきた。何度かやりとりをしているうちに、僕にも入会しませんかというお誘いがあった。やはりお調子者の僕は、二つ返事で入会することになった次第である。
それで今日、入会後初めて、例会に出席してきた。リモート参加も含めても10人という少人数ではあったが、すごく中身の濃い会合であった。
いきなり「政策検討会」と称して、事務局がテーマに関する資料を読み上げる。それを聞いて参加者は、テーマに関する政策を5分という短い間に考えられるだけ紙に書き出し、それを発表するといった流れだ。
例えば今日の討議資料の中の一つに「熟議民主主義」というのがあった。単に多数決で決めるという形式的民主主義でもなく、対立した両論を足して2で割るような妥協でもなく、対話を重ね何度も論点を往復している中から新しい価値観が創造されていくというものだ。
ところが、現実には、日本人、ことさら青森県人は対話や議論がどうも苦手なようだ。そこで僕は、ディベートの必要性を提案した。先ずは議論に慣れること、議論の基本的なルールを身につけることから始めないと、熟議は出来ないような気がしたからだ。
もう一つ、議会内においては「議員間討議」を積極的に行なうべきとも提案した。議員というのは本来”議論”のプロであるはずである。その議員が、熟議民主主義の手本を見せることが、この考え方を広める有効な手立てのように思う。
と、講義を聴いて、すぐにそれに対するレポートを提出する。何か、大学のゼミの授業のような緊張した内容だった。久し振りに”勉強”したなぁという充実感を味わった。
などと書いておきながら、大学のゼミって、出席率が悪かったからか、あんまり記憶に残っていないのが正直なところなのである。(4716)