今泉昌一の 私事時事

前弘前市議会議員 今泉昌一の  私的なはなし、市的(?)なはなし

2024年04月

ジュンク堂最後の日


 ジュンク堂ジュンク堂書店弘前店が、本日午後6時半をもってその歴史に幕を閉じた。僕も、閉店時間間際に行ってみた。記念にというか名残にというか、バーゲンコーナーにあった本を2冊購入した。  
 改めて店内を隈なく歩いた。確かにあらゆるジャンルの本が揃っている。改めて、この書店がなくなることに、一抹の寂しさと悲しさを覚えた。
 5年前の紀伊国屋書店閉店の頃を思い出した。その時のことは、当然、このブログにも書いた。辿ってみたら3月26日5月6日の2回採り上げている。
 改めて読み返してみると、今回のジュンク堂と紀伊国屋の撤退では、僕にとっての重さが違っていることがわかる。ジュンク堂は、一顧客(?)としての寂しさだが、紀伊国屋の場合は、それだけでは片づけることはできない感情があった。2019年3月26日のブログには、「因縁の上では、猪木とタイガー・ジェット・シンのような関係だった」と書いてある。プロレスを知らない人には何のことかわからないかもしれないが、我ながら上手いことを書いたものだと、今になって自画自賛している次第だ。
 ただ、紀伊国屋にしてもジュンク堂にしても、ものすごい物量作戦で進出してきて、その町の既存の中小書店を駆逐してしまう。それなのに採算が合わなくなればさっと撤退する。その後、地方書店が息を吹き返せるかと言えば、なかなかそういう風にはいかない。結局、いなごの大群が過ぎ去ったあとの畑のように、書店のない中心市街地が残されるだけである。
 まぁ、もっとも、これは書店業界の話だけではないだろう。百貨店もスポーツ用品店も靴屋さんでもおもちゃやさんでも、同じようなことは起こっている。中央資本の大型店を安易に受け入れてしまう弊害はこんなところに現れる。
 ジュンク堂閉店については、以前にもこのブログに書いたし、新聞の取材も受けた。月刊弘前にも拙稿を載せていただいた。だから改めて論評することはやめよう。今はただ、本と出会える機会がなくなることを嘆くしかない。
 さしあたっては、昨日のブログにも書いた「文芸時評」のことだ。来月はもう決まっているにしても、6月以降、どこでどうやって本を見つけてくればいいのだろうか。(7260)
 
 

ためにする読書


 時評過日のこのブログにも書いたように、今月からM新報の「文芸時評」を担当させていただくことになった。今日がその、第一回目の掲載日だった。
 実のところ、忘れかけていた。それが、朝一番でToさんからlineが送られてきて思い出し、コンビニに走って新聞を購入してきた次第だ。
 皆さんは、お読みになられたであろうか? M新報を定期購読されている方はもとより、そうでない方も、M新報社本社に行けばバックナンバーを買うことができる。ぜひ、ご一読いただいて、感想を送っていただければと思う。
 さて、こうして最初の掲載が終わったかと思うと、もう来月のことを考え始めなければならない。というのも、原稿の締め切りはまだ先なのだが、紙上に本の表紙の写真を載せるにあたって、出版社の許諾を得る必要があるとのことだ。それに存外時間がかかる場合があるらしく、原稿より先に、紹介する本をM新報社にもっていく必要があるのだ。それが毎月7日のあたり。つまり5月の場合だと、連休中には、ある程度構想をまとめて本を決定していなくてはならない。
 以前にも書いたように、文学的素養にかける僕は、”文芸時評”の”文芸”よりも”時評”に重きをおきたいと考えている。できるだけその時々の出来事や話題に絡めて、紹介する本を決めていきたい。となると、月末の原稿で採り上げる本を、月初で決めるという作業は、最初に考えていたよりも大変そうな気もしてくる。とは言え、一旦引き受けた仕事だ。首になるまではしっかり続けたいと思う。
 僕は、”ためにする読書”というものを好まない。学生の頃は、感想文やレポートを書くための読書、試験のための読書などは強いられてきた。社会に出てからも、仕事のための読書や、女性との会話についていくための読書を試みたことがある。が、「読みたい本を読む」というのが、僕の読書の基本姿勢なのだ。ベストセラーだから、〇〇賞を受賞作だから、といった理由で読んだことも、ほとんどない。
 今回、時評を連載するにあたっても、その姿勢は貫きたいと考えてはいる。でも、ひょっとしたら時評で紹介するために読むといったことも起こりうるかもしれない。しかしまぁ、それも読書の幅を広げる一つの手段として、敬遠せず取り組みたいと思う。
 えっ、来月に紹介する本? 実はもう決まっているけど、それは内緒。毎月最終月曜日のM新報をどうぞお楽しみに。(9262)
 

 

読書人は将棋がお好き 今日のブックトークから

田中今日は、弘前読書人倶楽部の例会、ブックトークが行なわれた。
 ご承知の通り、弘前は今、桜祭りの真っ最中である。読書人倶楽部のある本町一帯は、弘前公園に近いせいもあって、建物の前の道路は慢性的な渋滞となる。そのせいか今日は、いつもよりは参加者が若干少なかった。
 今月の講師は、倶楽部の役員でもあるTa君だった。Ta君は、これで3度目の講師ということになる。
 内幕を話せば、先月のうちから、川柳家のSさんに依頼をしていた。Sさんからも快諾をいただいていた。
 Sさんには、実は2月のブックトークを務めていただく予定であった。それが、当日になってキャンセルとなった。その時は、急遽、僕がピンチヒッターを務めた。
 そんなこともあったので、今月は、2週間ほど前に一緒に飲んだ時に、「今月は大丈夫ですよね」と念を押してみた。そうしたら、28日は下北半島の方で仕事があるから出来ないという。早めに確認をしてみて良かった。
 とはいえ、残り2週間では、新たな講師を探して依頼するのは難しい。 そこでTa君が義侠心を発揮して、自ら買って出てくれた次第だ。
 テーマは「藤井八冠の強さの秘密」。将棋の話だ。
 正直言って僕は、将棋のことはよくわからない。昔から、将棋とか囲碁とか、頭を使うゲームは苦手だったのだ。(五目並べは、一時期、得意だったが)  
 そんな僕にでもわかるように、将棋の名人の系譜や、藤井がこれまでの他の名人と比べて如何に頭抜けているかを、平易な言葉で話してくれた。将棋か会のヒエラルキーについても図解入りで説明をしてもらった。
 実は今、読書人倶楽部には、将棋盤と碁盤が置いてある。水曜日と木曜日には、Ta君が相手がやってくるのを待ち構えている。Ta君は「いつでも誰のッ挑戦でも受ける」とアントニオ猪木のような覚悟でいるに違いない。腕に覚えのある方は、是非、お越し願えればと思う。
 ついでにお知らせ。弘前読書人倶楽部は、明4月29日から5月7日まで、ゴールデンウィークのお休みをいただく。とはいえ、僕は時々中で仕事をしているかもしれない。前を通りかかったときに、カーテンが降りてなくて明かりが点いていたら、中を覗いてみていただければ幸甚である。将棋や碁はできないが、茶飲み話くらいならおもてなしができると思う。(6298) 

ペンクラブと指定管理施設


 今日は新年度最初の、弘前ペンクラブ指定管理事業実行委員会が行なわれた。場所は太宰治まなびの家。いつもの月だと第2か第3土曜日開催が多いのだが、今月は、僕が弘前を留守にしたり、Ki事務局長が都合が悪かったりして、月末も押し迫った27日になってしまった。集りが若干悪かったのは、そのせいかもしれない。
 いつもの通り、前月の来館者実績報告があった。太宰治まなびの家は、前年比3%の増だったが、弘前市立郷土文学館は残念ながら22%の減となった。
 まなびの家からは、1年間の実績についても数字が示された。それによると前年対比で23%の増である。コロナに翻弄された令和2年や3年に比べれば2倍以上の来館者である。それでもまだ、コロナ前の令和元年度の数字には及ばない。
 平成25年度からペンクラブが指定管理をするようになって、徐々に来館者を増やしてきたが、去年の数字は、その初年度の実績を若干上回る程度だ。まだまだ,コロナショックからの回復途上といったところである。
 一方の郷土文学館の方は、年度実績の報告が無かった。僕は、次回からでも出してほしいと提案した。
 もっとも、文学館の場合、1年を通じて行なう企画展の内容によって、来館者数は大きく上下する。太宰治などメジャーな作家を採り上げた時は一気に増えるだろうし、弘前では有名でも全国的にはさほどでもない作家(失礼)の場合は、客足が鈍るといったことも考えられる。
 その意味でも、今年度の企画展「文学紀行 あおもりの名湯」は、特定の作家にスポットを当てたものではない。温泉を基軸にした文学散策、いや文学を辿る温泉巡りのような企画だ。このユニークな展示への来館者数がどういう結果になるのか、大いに注目したいところだ。  
 ただ、郷土文学館は基本的に観光施設とは違う。郷土の作家やその作品について、その普及・啓蒙、資料収集、研究等が目的だ。いたずらに来館者が増えた減ったに一喜一憂してもはじまらない。逆に、来館者を増やすためにイージーな企画だけを連発する方が問題のようにも思う。
 今日の会議では、ペンクラブの今年度総会についても話し合った。6月2日。先日オープンしたばかりのカダレ劇場で行なう。懸案だった新役員人事も目途がついた。少なくても、総会の場で、誰も引き受け手がなく擦った揉んだすることは避けられそうだ。  
 弘前読書人倶楽部、町会、津軽厚志会、保護猫の会等と並んで、弘前ペンクラブも、僕にとっては大切な活動のフィールドだ。与えられた役割の中で頑張っていこうと思う。  
 いやいや、勿論、健康第一だ。今の健康状態だと、どの役割も満足に果たせそうにない。まだ21時前だが、今日は熟睡できるよう、今から枕を替えて床についてみようと思う。(6315)

苦手なもの


 生まれてから、大金持ちだったことは一度もないが、かと言って食うに困ったという経験は、つい最近までしたことがなかった。 
 学生時代は、確かに、インスタントラーメンが夕食だった日もある。でも、総じて言えば、親からも仕送りをもらい、その上アルバイトもしていたものだから、可処分所得という点では、一番裕福だったかもしれない。
 45歳で書店を倒産させ、紆余曲折を経て、定職を失ったこともあった。その時はまだ女房が生きていて働いていた。それに僕自身も、家庭教師や公文教室の手伝いを主に、リンゴ捥ぎやチラシ配りなどのアルバイトをして糊口をしのいだ。そういうことを考えれば、経済的には今が人生で一番厳しい局面に立たされていると言ってもいい。
 だが、絶対に「金に汚い」と言われることだけは避けたい。必要以上に値切ったり、割り勘をごまかしたり、人をだまして金をせしめるような真似はしたくない。お金に関しては大らかでいたいと心がけている。
 実は、”大らか”と言えば聞こえはいいが、ようは無頓着なのである。もっと言えばズボラなだけなのである。だから、肉体労働・頭脳労働と並んで、世の中で最も苦手な仕事の一つが”経理”なのだ。
 そんな僕が、今日、2つの会計処理を行った。先日来お伝えしている肉体の疲労に、頭と神経の疲労も重なり、今日は2つの会議や打ち合わせを休ませてもらった。
 午前中は太宰治まなびの家の支払い。これはもう5年以上も続けてきているし、発生する支出はスタッフの人件費や清掃の再委託料など数科目だけという、いたってシンプルなものなのだから何てことはない。
 問題は読書人倶楽部だ。先月一杯で、常駐スタッフだったNさんが辞めた。今まで、お金に関しては、すべて彼女に任せっ放しだった。それをこれから、竈を消した前歴がある僕とTa君でやらなければならない。
 今日がその最初の試練だった。請求書を整理して、郵便局で貯金を下ろし、コンビニに行って支払いを済ませ、立替分を清算する。帰ってきて入出金伝票を切り、今月分の領収書をひとまとめにする。たったそれだけのことに、随分と時間と労力を費やしたように思う。
 これがこの先毎月続くことを思えば気が重くなるが、愛する読書人倶楽部のためだ。自分の財布の管理はズボラでも、倶楽部の会計はしっかり務めようと思う。(6416)

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