開高健という作家がいる。 1958年、「裸の王様」で芥川賞を受賞した。
他にも「パニック」「日本三文オペラ」「オーパ!」「輝ける闇」等々、長く文壇の第一線で活躍していたので、お読みなられた方も多いだろう。
今日は、読書人倶楽部の例会・ブックトークの日。今月の講師は、公益財団法人開高健記念会の実行委員を務めるNさんだった。「開高健と青森」という演題でお話をいただいた。
大阪生まれで、晩年は神奈川県茅ケ崎市で過ごした開高健は、一見、青森県とは縁が無さそうだが、趣味の釣りで訪れたことがあるそうだ。「高原の鬼哭」という作品に描かれている。なんでも、青森県ではあまり釣れなかったそうだ。
また、「新しい天体」は、全国を食べ歩いた記録で、いわば元祖「食レポ」だ。その中に十和田湖畔のホテルでの食体験が書かれている。他の場所ではけっこう辛口の批評も書いているようだが、十和田の味は、口に合ったようだ。
本屋に生まれ、本屋の経営に長く携わっていると、毎日毎日、本の背表紙が目に入るものだから、何となく読んだ気になっている。ところが案外、読んでいないってことも多い。正直言って、開髙健はこれまで1冊も読んだことがなかった。
が、今日の講話を聴いて、何か読んでみようと思った。僕は釣もやらないし、旅行という趣味も無い。すると結局、初期の頃の、例えば「パニック」あたりが面白そうだ。それとも、今日、紹介していただいた「開口一番」にも興味が惹かれる。
こうして、読書人倶楽部のブックトークから、また新たな本との出会いが芽生える。読書の幅が拡がっていく。ものすごく地道な小さな運動だけど、市民の読書推進のために役に立てればと願っている。
次回は、12月28日。「私の今年の1冊」と題して、参加者が銘々、今年読んだ本の中でこれはと感じた本を持って来て紹介するというイベントだ。10人参加者がいれば10冊の、15人いれば15冊の、新しい本を知るチャンスでもある。会員出ないか方も、是非、ご参加下さいまで。(3396)

