人生というものは、不思議なものである。忙しい時は、やたらに忙しくなるが、暇なときは全く暇になる。
 いや、人生なんて大げさに言うほどのものでもない。日々の暮らしでさえもそうだ。
 例えば、昨日である。先般も火葬のことをこのブログに書いた、親戚の通夜が執り行われた。そういう日に限って、市民劇場の運営委員会や消防団の会議の通知が重なる。
 まぁ、その場合は、冠婚葬祭が最優先なので、他の会合をお断りした。断る理由も、「親戚の通夜」といえば、大概が納得していただけた(と思う)。
 問題は明日だ。 和徳小学校の運動会にご招待されていた。旧今泉本店の元社員の会のご案内もいただいた。脱原発映画祭は数ヶ月前から決っていた。「走れメロス音楽祭」の実行委員会もある。夕方からは津軽厚志会の総会で、津軽様もご出席くださるそうだ。
 はてさて、どうしたものか? 夜の厚志会はいいとして、朝から午後に掛けての取捨には、大いに悩んだ。皆さんだったら、こんな場合、どうするんだろう?
 昔、東京青年会議所に、Hさんという名物先輩がいて、その講演を何度か聴いた。先輩は、会合が二つ重なったら二つとも出ろという。三つ重なったら三つ、四つなら四つ、とにかく、遅刻しようが中座しようが、声を掛けられたら、全部に出席しろとおっしゃった。主催する側は、ちょっとでも顔を出してくれることを望んでいるそうなのだ。
 なるほど、それも一理はある。しかし、挨拶や乾杯程度で済む会合ならいざしらず、何か役割を分担している場合は、そうもいかない。遅刻もできない、中座もできない、自分がいなければ立ちゆかない会だってあるのだ。
 そんな観点から、明日は、映画祭に出ることにした。だって、ただ映画を観るだけの会ではない。実は、僕は、会場で関連図書の販売を頼まれたのだ。
 代わりに手伝ってくれそうな人に何人か、声をかけてみた。でも、皆、都合がつかなかった。そこで、やっぱり、自分でやるしかないなぁということになった。
今日、とりあえず、和徳小学校と元今泉社員会の幹事さん宅にお断りに出向いた。走れメロス実行委員会の事務局長には、電話で断りを入れた。それぞれに、大変申し訳ない気持ちで一杯だが、その分、別の機会には、きちんとお返しをしたいと思う。
 と、多忙(?)な、昨日と明日に挟まれた今日の日中は、何故か全く予定が入ってなかった。午前中、議会事務局に行って、簡単に常任委員会の打ち合わせをしたくらいだ。お陰で、相馬の奥の美味しい蕎麦屋まで足を伸ばすことができた。
 で、冒頭の文章に戻るのである。今更、分身の術を身につけようとは思わない。ただ、スケジュールを平準化する能力は欲しい。
 いや、スケジュールを自ら毎日均等に割り振ることができるのは、能力というよりもむしろ権力か。だったら止めだ。権力なんてものには、近づかない方がいい。下手に近づけば、どこかの首都の知事のように、人格が破綻してしまう。
 僕ら凡人は、忙と暇の間で右往左往しているのが、一番幸せなのかもしれない。