幼稚園の頃、東京の大学に進学する親戚を、弘前駅のホームから見送った。あの列車の明かりが消えて行った闇の向こうには、どんなに華やかな世界が待っているのだろうと、小さな胸を膨らませてみていた。
   小学4年の時、父に、東京へ連れて行ってもらった。後楽園遊園地のジェットコースターだけが記憶にある。
   中学3年の12月、全国綴り方コンクールの表彰式で、父母と一緒に東京に行った。親戚から、ご褒美に好きな所へ連れて行ってあげると言われたので、僕は即座にプロレスと答えた。ところが、その日は、都内での興行がどこでも無かった。代わりに浅草演芸ホールに連れて行ってもらい、寄席を堪能した。
  高校3年生の春、大学に受験のため上京してからは、しばらく東京に(首都圏)に住み着いた。アントニオ猪木対モハメド・アリ戦も観た。猪木対ビル・ロビンソン戦も観た。ジャイアント馬場対ジャック・ブリスコ戦も観た。山口百恵もキャンディーズも岩崎宏美も観た。トウショウボーイもグリーングラスも観た(何故か一番好きなテンポイントは生で観た記憶がない)。
  こんな自分自身の学生生活を顧みれば、今議論されている、高等教育の無償化なんて、税金の無駄遣いにしか思えない。少なくとも、大学は、本当にに勉強をする意欲のある人だけを対象にするべきだ。
  社会人となって、書店の経営に携わるようになってからは、東京にでる機会が、グーンと増えた。書店組合事務局の理事会、出版社の招待会、仕入れ、打ち合わせ等々、月に1回は上京した。時間があれば、噛んだの古本屋街を素見すという楽しみを見つけた。 
   議員になってからは、東京にくる機会は減った。近くに視察にくることはあっても、予めルートが決められていて、限られた時間内で移動しなければならない。素通りをすることもままだ。 
  そして今、東京にいる。池袋のホテルで、このブログを書いている。明日は、この夏に亡くなった、大学時代の友人の「偲ぶ会」に出席する。
  窓の外は雨。僕の心も湿りがちだ。(8696)