きょうは、弘前ペンクラブの総会。例年、今頃開催されている。事務局長は、O印刷のK社長なのだが、あいにく出張で欠席だった。そこで、僕が、全体の仕切りと、議案説明の役を仰せ付かった。
 それはいい。そういうものは、突然振られても、大概の場合は、いつでも出来る。そのくらいの意気込みで、どんな総会にも臨んでいる。
 それよりも、今日は、初物が二つあった。そのことを書きたい。
 一つは、記念講演である。弘前ペンクラブでは、総会前に、記念講演会を毎年行なっている。原則として講師は会員の中から選んでいる。これまた原則として、会員であれば、講師料は只ということになっている。
 というような理由で、これまでは、ストレートに”文学”についての話が主であった。作家論とか、自身の文学体験とか。ストレートでなくても、ジャーナリズムの現場の話とか、出版業界のこととか、文学の周辺の講演がほとんどであった。
 ところが、今日の講師、弘前社会福祉大学の牛田先生のテーマは、「創業者からの学び ~外食産業創業者列伝より~」というものだった。まさに、経営論。まるで、かつての商業界の研修を受けているような感じだった。
 こういう内容は、少なくとも、僕が係わるようになってからは、弘前ペンクラブ初のことである。他の会員はどのように聞いてくれたのかはわからないが、僕は、とても面白く拝聴した。
 上梓されたばかりの「外食産業創業者列伝」という本も頂戴した。昨日のブログの、枕元に積み上げている本の中に、また新たに1冊が加わった。さて、優先順位をどうしようか・・・?
 もう一つの”初”は、5月18日の臨時議会で承認されて就任したばかりの、吉田教育長のご祝辞である。ご本人が、公式な場所での挨拶は初めてだとおっしゃっていた。とてもそうとは思えないくらい、流れるようなご挨拶であった。
 でも、そうして、初めての公務に、ペンクラブを選んでいただいたというのは、メンバーの1人として光栄の至りである。石坂洋次郎、太宰治をはじめとする、ゆかりの文豪の功績は、弘前という都市のの魅力を構成している地層の一つでもある。教育政策・観光政策・都市政策等に、この蓄積された文化的風土を活かしていくのは、行政の大きな使命ではないかとも考える。
 そういった意味でも、教育委員会と弘前ペンクラブが、色々な場面で、緊密な連携をとっていければいいと思う。僕の役目は、その橋渡し役。文学に限らず、様々なジャンルの文化活動の中で、その役目を果たしていければと思う。
 市議会議員が28人いる中で、農業系とか、福祉系とか、スポーツ系とか、防災系とか、それぞれ得意分野は、皆持っているのだろうが、こと”文化系”という議員は、おそらくそんなに多くはないはずだ。といった、自分勝手な自負(自惚れ)を胸に秘めて、これからも活動しよう。
 でも、「文化とは何ぞや?」なんて質問は、絶対にしないで下さいね。非文化人の僕に、答えられる筈はないのだから。(5514)