例えば、弘前の「はるか夢球場」である。30億円近くかけて、プロ野球一軍戦を行なうことの出来る仕様に改修した。実際に、昨年と今年、それぞれ一試合ずつ、楽天ゴールデンイーグルス主催の一軍戦が行なわれた。
 これに対し、「たった一試合のために多額の税金を使って・・・」という批判は根強い。このことも、4月の弘前市長選挙に結果の一因になっているものと思われる。
 しかし、と僕は考える。もう出来上がって、そこにあるものを批判しても始まらない。今為すべきことは、あるものをドンドン有効活用することで、如何に弘前の元気に繋げていくかということだ。
 今年は、プロ野球では、一軍戦の他に、フレッシュオールスター戦も行なわれたし、もうすぐ二軍戦も開催される。プロ野球に限らず、高校野球でも大学野球でも、ソフトボールでも、もっともっと貪欲に誘致すればいい。
 野球じゃなくたっていい。コンサートでもプロレスでもその他のイベントでも、色々な催事に使う分別をすればいいと思う。
 市民会館や文化センターのホールもそうだ。多様なジャンルの催しが開かれることで、市民の文化・芸術に対する関心が高まれば、それに勝る効果は無い。
 博物館や弘前藩歴史館、郷土文学館等も同じだ。積極的に来館者を増やすことが、弘前の市民力の向上に繋がってゆく。
 今日は、中心商店街の百貨店の催事スペース(ホール)について、店長と話し合う機会を持っていただいた。スペース自体の稼働率を上げることが、店舗、ひいては商店街全体の集客や業績向上にも結びつく。そのためのお手伝いをさせて下さい、ということを提案した。
 あるものを使う。この姿勢は、何にでも大切だ。スペースだけでなく、人間の能力にも言える。
 何かの本で読んだが、持っている能力の六分の一しか、普段は発揮出来ていないのだそうだ。残りの六分の五は、いわゆる潜在能力というやつか。うーむ勿体ない。
 だけど、六分の一でも発揮出来ていれば、まだいい。中には、「俺にはこんな能力がある」「俺ならこんなことが出来る」と言いながら、その能力を使っていないように見受けられる人もいる。勿体ないと言うよりも、残念なことである。
 僕は、”無い”能力を振り絞って、精一杯”ある”ふりをしているというのに・・・。(5414)