毎週木曜日午後7時からの「プレバト」という番組をご存じだろうか。俳句・水彩・盛り付け・生け花等々、様々なジャンルで、芸能人がその才能を試される。あの芸人にこんな才能が! と驚かされることもある。
 特に、俳句は、もの凄い人気だ。時に俳句だけで1時間の特番が組まれるくらいだ。
 その中で、芸能人の作った俳句を、ズバズバと採点しているのが夏井いつき先生。いいものはしっかりと褒め、おかしな句は、「才能無し!」と一刀両断に切り捨てる。
 ただ切り捨てるだけではなく、ここをこう直せばいいと、実際に添削をしてくれる。そうすれば、素人の僕らでも鼻で笑ったような句が、ものの見事に素晴らしい句に甦る。そのプロセスや、句をめぐる作者である芸能人とのやりとりが面白く、今、日本中に広がる静かな俳句ブームの原点となっている。
 その、夏井先生を弘前に招いて、文化センターで「句会ライブ」を開催した。超満員だった。
 僕は、午後2時半に、青森空港まで先生をお迎えに言った。役得だ。弘前までの道中、観光ガイドの真似をしたり、サイン会や食事会の打ち合わせをしたりした合間に、肝心の俳句の話も聞くことができた。何せ今は僕も、趣味の一つに堂々と「俳句」を掲げる、一端の(単なる端っこの)俳人なのである。
 弘前では、真っ先に、弘前市立郷土文学館にご案内した。俳句と言えば、松山が生んだ稀代の俳人正岡子規。その正岡子規を陰で支えていたのが、弘前が生んだジャーナリスト陸羯南。その陸羯南の業績が、郷土文学館には常設展示されている。夏井先生も松山市にお住まいということから、きっと興味を持っていただけるだろうろ考えたのだ。
 もっとゆっくりとご案内したかったのだが、時間の制約もある。小一時間もしないうちに、会場の弘前文化センターに移動した。先生は、すぐに、舞台係と打ち合わせのため、控室に消える。
 すると僕は、著書販売係へと変身する。本屋をやめてもう18年にもなるのに、今日に限らず、こういうイベントとなると、本の販売を任せていただくことが多い。正直言って、嬉しい。
 いよいよ句会ライブが始まった。前段で、簡単な俳句の作り方を先生が講義をし、休憩前に入場者全員に句を提出させた。休憩中にそれに目を通し、何句かを選んで、後段ではその句の批評と添削をする。
 僕も、意気揚々と、自信作を提出した。惜しくも選ばれなかった。「才能無し!」だったのだろう。
 だけど、諦めない。次に先生にお会いするときには「凡人」、更にその次には「才能あり!」に選ばれるよう、精進を重ねよう。なんと言っても、僕の俳号は「未諦」なのだから。(6435)