弘前落語ふぁん倶楽部という団体がある。友人のKaさんが代表だ。年に3~4回のペースでヒロロ寄席を開催している。もう18回を数えた。
  高座に上がる落語家さん達は、皆、当代一流の売れっ子真打ち。 東京にいても、なかなかチケットは手に入らないだろうなぁという方々ばかりだ。
  先月は、柳家喬太郎師匠がヒロロの高座にあがった。振り返れば、第一回目のヒロロ寄席も、喬太郎師匠だった。僕も、仲間と一緒に聴きに行って、終ったあと、駅前の全国チェーン居酒屋で飲んだ記憶がある。
  喬太郎師匠は、これでヒロロ寄席は4回目であった。僕は4度とも聴きに行っている。今、僕の中では、一番好きな噺家の筆頭だ。
  ヒロロ寄席とは別に、10月28日には、柳家はん治師匠が弘前にいらっしゃる。以前やっていた「まなびの家」寄席の復活だ。
  弘前ペンクラブのS会長によると、日本の文豪とよばれる作家の中で、落語好きの双璧は、太宰と漱石なのだそうだ。そんな縁もあってか、あの大正時代の和風建築と落語はよく似合うような気がする。
  11月11日には、第19回ヒロロ寄席が行なわれる。出演は三遊亭兼好師匠だ。兼好師匠も、これが3回目となる。
  その1週間後の11月18日には、今度は弘前芸術鑑賞会が「三遊亭遊雀&ぴろき 二人会」を開催する。昨年、ナイツと一緒に来弘されて大変好評だった遊雀師匠を、またお招きした格好だ。
  ・・・ことほど左様に、今、弘前では、落語が静かなブームになっている。毎月1度はどこかで、落語会をやっているのではないかと錯覚するくらいだ。
  その他にも、落語家を講師に招いてのコミュケーション教室など、高座ならぬ講座のポスターもよくみかける。
  と、そんな訳で、「月刊弘前」の次号の特集に、落語を採り上げていただくことになった。落語ふぁん倶楽部のKaさんからいただいた原稿に手を入れて、写真の配置等全体の構成を考えて、今日、編集室を訪ねた。
  編集長のSさんも、落語ファンのようだ。「まさか、弘前にいながらにして、こんなに落語を直に見られるようになるとは・・・」と、感慨深げにおっしゃっていた。全く同感である。
  故立川談志は、落語の世界のことを「江戸の風」と評した。考えてみれば、落語の登場人物は、お侍にしても、町人にしても、職人にしても、芸人にしても、ほとんどが、江戸すなわち城下町の住人だ。きっぷのよさ、義理人情、頑固一徹・・・そんな江戸人たちの生き様の中には、弘前の風土にも相通じるものがあるのに違いない。(7656)