午前中は、熊野奥照神社崇敬会の行事に参加した。
 崇敬会では、毎年、巡拝と称して、有志による小旅行を実施している。昨年までは、弘前周辺の神社を見学していたのだそうだが、今年は、板柳町にある「工藤忠生家 皇帝の森」を訪問するとのことで、午前9時50分に、神社境内に集合した。
 熊野出発前に、拝殿に上がり正式に拝礼をし、その後、神社の由来や歴史の説明を受けた。滅多に入ることのできない本殿の玉垣の中も見学させていただいた。ここは、弘前最古の神社として、国の重要文化財にも指定されている。
 なるほど、煌びやかさなどとは縁遠いが、歴史の重みを感じる趣がある。朝から、神道の厳かな気分に浸ることができた。
 午後は、一転して、クリスチャンの世界に接した。弘前読書人倶楽部のブックトークの講師として、札幌聖心女学院の田口シスターにお越しいただいたのだ。
 聖心女学院と言えば、皇后陛下も通っておられたという、カトリック系女子大の名門校で、東京での学生時代は、憧れの的の一つであった。清泉、フェリス、跡見、東京女学館等々、的は広く数多くあったが、まるっきり当たらなかった。
 話が逸れた。僕の暗い青春時代を書くのが本望ではない。要は、午後2時を境に、神道とキリスト教、2つの異なる宗教を体験したこと書きたかったのだ。言わば、鳥居の前に十字架を捧げるような・・・。
 トークブックトークは、冒頭こそ聖書の話ではあったが、その後は、次から次へとジャンルが広がっていった。間違いなく、弘前読書人倶楽部のブックトーク史上、最も多くの書名と著者名を紹介していただいた。心の底から読書を愛されていることが、内容や話しぶりからも、ひしひしと伝わってきた。
 今日の講演テーマは、「私を形作ったもの~私は本を食べて成長した」というものだった。まさしく、シスターの身体の中は、髪の毛の先一本に至るまで、”本”に埋め尽くされているのではないだろうかと感じるくらい、迫力のあるトークであった。
 かくいう僕も、かつては、本食べて暮らしてきた。今も、かつて本屋を経営していた時の経験に、何かと助けられているとも思う。
 農家の方が、お米の一粒も粗末にしないように、僕も、本を大切にしよう。本にはくれぐれも足を向けて寝ないようにしよう。その代わり、枕元にはいつだって乱雑に、読みかけの本が積まれている。(5398)