♬ 三日遅れの便りを乗せて 船は行く行く波浮港 ♬
 今日は、いきなり、演歌の歌詞から始まる。都はるみのヒット曲「アンコ椿は恋の花」の出だしである。都はるみは、この曲で、日本レコード大賞新人賞を獲得した。
 調べたら、1964年頃のヒット曲とある。僕が、まだ小学校3年生の頃だ。漠然と離島が舞台だとは感じていたが、”波浮港”の意味もわからず、怖い毒蛇がたくさんいる島のことだと思ったりもした。
 作詞は、星野哲郎氏。ここでいう”三日遅れ”とは、すなわち、東京からの距離を表しているだろうことは、誰にでも想像がつく。いわゆる”遠距離恋愛”を歌った詞だ。
 3日遅れまではいかないが、青森県の雑誌発売日も、かつては、2日遅れであった。東京で月曜日発売の週刊誌は、青森県では水曜日発売という時代が長く続いた。陸続きの離島のようなものだった。
 僕が、青森県の書店組合理事長時代に、ようやく、1日だけ改善された。東京月曜日発売の「週刊ポスト」や「週刊現代」が、火曜日発売となった。でも、それから20年経った今でも、それ以上は進展していない。
 「週刊文春」を定期購読している。”文春砲”と言われているゴシップ記事に期待しているのではない。連載記事の何本かや、パズル・書評を楽しみにしているくらいである。
 東京では先週の木曜日に発売された、その最新号を、今日、受け取った。なんと4日遅れである。
 これには事情がある。数か月前までは、親しくさせていただいている書店の営業所まで、毎週金曜日に受け取りに行っていた。朝から夕方まで、常時、事務員がいたので、いつ行っても良かった。
 ところが、その事務員が辞めたあと、代わりの事務職員を補充しなかった。だから営業社員が出払った後は誰も残らない。事務所に鍵がかかっている時間帯もある。先週の金曜日もそうだった。
 と書いて、その書店を非難しているのではない。実際に、雑誌を配達する、あるいは取り置いておく、手間暇費用がどれほどのものか、僕にはよくわかるからである。
 考えてもみてほしい。週刊文春420円。粗利益は100円足らず。100冊売ったところで4万2千円。これを1冊1冊配達する人件費、ガソリン代、あるいは事務管理費などをざっと計算すれば、客として、贅沢や我儘が言えないことくらい、すぐにわかる。
 一体今、青森県内で、週刊誌を配達してくれる書店は何軒あるのだろう。ただでさえ、雑誌の売り上げは年々落ちている。速報性、利便性としては、既にインターネットに凌駕されつくしている。もはや、雑誌の主たる購買層は、おそらくアナログ世代が圧倒的に多いのではないか。
 その上、手元まで届けてくれるサービス機能が衰退したら、もはや雑誌と言う情報媒体の生き残る道は無いかもしれない。そうならないためにも、書店のマージン率アップは、喫緊の課題なのではないかと、業界外の僕は考えるのである。
 にしたって、4日遅れは、いかにも遅い。今週は、金曜日の朝一で、取りに行こう。来週は、議会の最中なので、議会事務局まで配達してもらおう。さて、再来週からは・・・?(7315)