「弘前で、起業する人を募集している」という話題が、昨日の読書人倶楽部での懇親の場で出た。その情報を切り出してくれた人によると、なんでも、起業のためにUターンしてきた人に、その準備期間として、3年間は生活費が支払われるという。「そんなら、俺も、いったん住民票を東京に移して、数か月後にその制度を利用して帰ってこようかな」と言い出す者まで出始めた。
 冗談か本気は知らないが、議員としては、正確な情報を押さえる必要がある。そこで今日、市役所の担当課に、詳細を聴きに行ってきた。
 NCL渡された資料には、「ローカルベンチャー育成事業」とある。国の地域おこし協力隊制度を活用して行うのだそうだ。
 起業を志す人を募集するのは、「Next Commons Lab(NCL) 弘前」というNPO法人。ここでは、起業のノウハウの指導や、活動拠点の整備運営、さらには、いざ開業となったときの資金調達のアドバイスもしてくれるそうだ。
 希望者には、起業までの間、弘前で生活するための期間、約年200万円ほどの報酬が支払われるという。友人がやってみたいと言うのも無理はない。
 しかし、ことはそんなに簡単ではない。一つは起業する仕事の内容や人材に制限がある。NCL弘前では、「りんごの未来への小さな一歩」「地域に根差したワイン産業の創造」「八百屋2.0野菜のスペシャリスト」「アーティストとともに学び気づく」「学生のまちのあたらしいインフラ」「地域のすべてが学びになる」という6つのプロジェクトを提案している。その他に「自由提案」というのもあるのだが、こういった場合、指定されたテーマに沿ったものの方が無難で、「自由」というのは却って難しいのではないかとも思う。
 募集するのはわずかに10人。当然、採択されるためには、厳しい審査があるそうだ。弘前で新しい業を起こすという強い意志と、持続可能な事業のアイディアと計画が求められる。
 そりゃそうだ。公金を使って行う、弘前市の未来を託す事業だ。酒の勢いで「俺もやってみようかなぁ」では困る。
 といった、いくつかのハードルはあるが、僕はこの事業を応援したい。「雇用創出=企業誘致」というのも、言うは易し行うは難しだ。むしろ規模は小さくとも、若者がこの地域で起業して、その事業が新たな雇用を産んでいくといった方向に、実現性とと可能性を強く感じる。
 他にも要件はあるらしいが、弘前以外でこのブログを読んで下さっている皆様の中で、我こそはと思われる方は、是非、ご一報下さいませ。(4728)