弘前読書人倶楽部例会が行なわれた。先週のブログでもお伝えした通り、今日のブックトークの講師は、「斜里の陣屋で」という小説を出版された秋元弦さん。僕の1年後輩にあたる。 
 秋元今日の模様を撮影したのが左の写真だ。何か異様な雰囲気を感じる。その昔、〇〇の8ミリ映写会を、どこかの一室で、息を潜めて観た時のようにも見えなくも無い。
 だけど言うまでもなく、決してそういうことではない。秋元さんが、この小説を書くにあたって取材してきた、当時の地形やら現在の風景を、パワーポイントを使って説明してくれたのだ。
 最近は、このように、映像を使ってブックトークを行なってくれる人が増えた。ざっと考えても、三人に一人はそうだ。
 それなのに、読書人倶楽部には、プロジェクターはおろか、スクリーンすらない。模造紙を2枚貼り合わせて書棚に貼って、その代わりにしている。せめてスクリーンくらいは用意しなければと、副代表から提案があった。
 トークの内容には圧倒された。当たり前の話かもしれないが、一篇の小説を書くために、綿密に取材をされている。秋元さんは、何度も現地を訪れたのだそうだ。
 そればかりではない。厳寒のオホーツク沿岸の北方警備を命じられた津軽藩士達が、次から次へと、浮腫病のために命を落とした。その数は、派遣された100人中、85人にものぼる。
 と、僕ならそこで終わるところだが、秋元さんは、お知り合いの医者に、その死因の詳細についても取材をされたようだ。
 こういった地道さや、正確を期す科学的探究心を、僕は全く持ちあわせていない。そういえば秋元さんは、理科の先生だったと聞いた。5教科の中では、僕が最も不得手な教科だ。
 一方で、創造力というか、創作力というか、小説家には欠かせないロマンチストの面も、秋元さんは備えている。
 記録上、行方不明になった藩士が一人だけいるのだが、そこから発想を飛ばして、原住民(アイヌの娘)と駆け落ちしたと、小説の上では設定したのだそうだ。うーむ、凄い。
 また、取材した折に、現地の人から、弘前ねぷたの「やーやどー」は、かつてアイヌ人を追い出す時に使われた掛け声ではないかと言われ、ショックを受けたのだそうだ。そこで感じたアイヌ人の本土の住人に対する感情も、作品に採り入れたという。
 僕も、些細な出来事からあれこれ妄想に耽るのは、決して苦手では無い。むしろ得意な方と言ってもよい。だけど、それを小説という形で世に送り出せるほどのまともな発想は、これまで一つもなかった。
 要は、僕は、小説家には向いていないということか。せいぜい、このブログを、毎日更新することが関の山だ。
 そんな僕の駄文だけど、皆さん、呆れずに、ご愛読を続けて下さいね。お願いします。(4703)

 追伸
 今日のタイトルは、和田アキ子の「天使になれない」を多分に意識した。そこで、久々に、僕の好きな曲ベスト3(和田アキ子編)を書いてみよう。

 ① あの鐘を鳴らすのはあなた
 ② 天使になれない
 ③ 孤独