予算委員会の2日目、午後4時半過ぎ。満を持して質問に立った。星と森のロマンとピアに関することだ。
 旧相馬村の山の上にあるこの施設は、温泉浴場付き宿泊施設や、コテージ、テニスコート、バーベキューハウス、天文台等が立ち並ぶ、言わばレジャー施設だ。ホテル内には温水プールもある。
 市から受託して運営しているのは、一般財団法人だ。その設立の経緯は、僕はわからない。でも、』財団法人というのは、他の法人組織と比べ、いくつかの縛りがある。
 その最たるものが、正味財産の額だ。最低300万円は必須である。2年連続して300万円に満たない場合は、解散を命じられると何かで読んだ。
 このロマンとピアを運営している法人は、平成25年度に、正味財産が、大幅にマイナスとなった。翌年度に、他団体から3000万円の寄付を受けて、取り敢えず帳尻は合わせた。
 その後、経営改善を重ねて、数年間は、黒字経営を続けていた。正味財産も積み上げていっていた。
 ところが昨年度、大幅な経常損失を計上し、正味財産も600万円まで減額した。前年度末、1800万円あったものが、たった一年で600万円弱である。財団法人といいながら、いかに基本財産に乏しいのか、窺いしれよう。
 そのロマンとピアの宿泊施設を、億単位の費用をかけて改装しようという計画が、2年前に示された。僕は悪い冗談とばかり思っていた。よもや、あの夢物語のような計画は、前市政の遺物として、葬り去られたものだとばかりと思っていたのだが、今日の予算審査の中で、それを確認した。
 なんと、その計画が、ベースとして残っているのだそうだ。人口も減少する。需要も減退する。そんな中で、多額の費用をかけて、箱物を改装する必然性があるのか。採算はとれるのか。そもそも、市に、ロマントピアに対する、長期的なビジョンはあるのか。といった質問をした。
 だからといって、ロマントピアを頭ごなしに否定するつもりはない。僕にとっては、とても縁の深い施設だ。
 2000年秋、会社を倒産させた時に、自宅まで押し寄せてくるであろう債権者から、年老いた母を守るため、数日間、ロマントピアのコテージに身を寄せていた。僕は、自分自身で、「逃げない」と誓ったため、そこから毎日、シャッターを閉めたままの会社に通っていた。
 まだフリーター同然の時に、当時のロマントピアの支配人から頼まれて、「トピーとうさぎ」という童話を書いた。今はどうかは知らないが、しばらくの間は、ホテルのロビーやレストランに、その絵本は置かれていた。
 そういった想い出深い施設だからこそ、余分な投資をして寿命を縮めることなどしないで、地道に長く続けて欲しいと思うのである。民間企業だったら、仮に、年商の数倍の借入れを起して設備投資をして、それが回収できなかった暁には、奈落の底へまっしぐらということにもなりかねない。行政職員には、その辺りの感覚が、どうにも欠けているように思われることもしばしばある。(6582)