久しぶりに、モーニングセミナーに出席した。6月以来だから、5ヶ月ぶりということになる。
 このセミナーは、毎週火曜日午前6時から弘前駅前のホテルで開催されている。毎回、会員や各界で活躍されている方の講話を聴くという形式のものだ。
 救われるのは、この会の皆さんは、欠席していた人を、決して責めないという点だ。今日もそうだった。いや、今年の1月に、数年ぶりに出席した際にも、「よく来てくれた」と、皆、暖かく迎えてくれた。優しさに包まれて、却ってこちらが恐縮してしまうくらいだった。
 さすがに、倫理を学んでいる方々である。実際にこれは、簡単なようでなかなか出来ることではない。
 同じような話を、30年以上前に、青年会議所の研修会で聴いた。大切な集会に遅刻してきた後輩を、「なんだお前、今頃来て。大切な集まりだって言っただろう」と叱り飛ばすのと、それとも、「やぁ〇〇君、忙しいのによく来てくれたね」と迎えてあげるのと、どちらがその後輩を育てることになるのか、その後輩のモチベーションが上がるのかという話だった。当然、後者だと教えられた。
 その話を聞いて僕は、青年会議所とは、なんて素晴らしい団体なんだろうと感激した。それからというもの、堂々と遅刻をするようになった・・・ってことは全くない。
 要は、欠席でも遅刻でも、責められれば敷居が高くなる。敷居が高くなれば、益々顔を出しにくくなる。ちょっとの遅刻でも、どうせ叱られるよりならと、それが欠席につながっていく。やがて退会という形になって、組織そのものも弱体化していく。負のスパイラルだ。
 勿論、組織内の秩序の維持や、他者に対する責任を考慮すれば、欠席・遅刻をフリーパスとするわけにはいかない。ケースバイケースで対処しなければならない。上に立つ人は、いや上下の関係などなく、とかく対人関係というものは、その匙加減が難しいのだろうと思う。
 午前6時から始まったセミナーは、午前7時で終了。会場のホテルの外に出たら、小雨がパラついていた。困った。傘を持っていない。
 近くのコンビニで、安いビニール傘を買おうかとも思ったが、昨日も駅に向かう途中で買ったばかりだ。無駄遣いの最たるものだと躊躇して、立ち止まっていた。
 と、そこへ「今泉さん」と声を掛けられた。近くのパブレストランのオーナーだ。夜のお仕事なのに、そんな早朝から店に出てきたのだそうだ。
 何故か彼は、傘を2本持っていた。そのうちの一本を貸してもらうことができた。助かった。何よりも、「傘を返す」という、また飲みに行く口実ができた。それが嬉しい。(9786)
 
 追伸
 今日のタイトル「やさしさに包まれたなら」は、ユーミンの初期のヒット曲からいただいた。まだ”荒井由実”だった頃の曲である。亡くなった女房が、ユーミンの大ファンだった。