W君の悲劇のことは、昨年のブログにも書いた。一年間の印象に残った出来事の中にも記載している。それほどショックだった。今も思い出しては、やるせなさに身が震える。
 以前のブログと重複するかもしれないが、僕の感傷に、しばらくお付き合い願いたい。
 W君は、弘前が好きだった。本当に好きだった。年に3~4回は、必ず来ていた。来れば読書人倶楽部の仲間達と、一緒に飲み明した。
 起業して弘前で暮らすことが、彼の夢だった。 仕事の相談にも何度か乗ったことがある。彼自身も、東京にある市の移住サポートセンターにも足を運んでいたようだ。
 その夢が叶った。いや叶う直前だった。 
 「仕事がみつかって、弘前に住むことになった」と連絡が入ったのは昨年の9月のことだった。彼の到着予定日、僕らは、読書人倶楽部で待ち構えていた。が、待てど暮らせど来ない。
 彼は、行きつけの居酒屋にも、同じ日に飲みに行くからと、予約を入れていた。そこにも行かなかった。女将も心配していた。
 でも、まぁ、何か急な事情が出来たのだろうと、その日はそれで済ませた。誰も悪いケースのことは考えない。
 ところが11月になって、彼が東京から弘前に向かっている途中、高速道路で追突され亡くなっていたことを知った。東京に住む、彼の友人が調べてくれたのだ。その辺りの詳しいことは、もう一度、昨年11月15日のブログを読み返していただければと思う。
 今日は、その東京在住のW君の友人達が、弘前を訪ねてきてくれた。そう言えば、W君は、毎年この時期に、友人達を連れて弘前で新年会を行なっていた。W君がいなくても、彼らが弘前のことを忘れずにいてくれたことに、目頭が熱くなる思いだ。
 実は、明日、弘前読書人倶楽部ではW君を偲ぶ会を行なう予定だが、今日は一足早く、W君があの日行くはずだった駅前の居酒屋で、遠来の友人達と、故人のことを語り合いながら盃を重ねた。
   ひとり酒場で飲む酒は 別れ涙の味がする 
   飲んで捨てたい面影が 飲めばグラスにまた浮かぶ 
   (美空ひばり「悲しい酒」より)
 というような、しんみりした酒ではなかった。終いには民謡を歌い出す人までいた。それぞれにW君のことを偲び、それぞれに悲しさを忘れたいと思って、笑いの絶えない時を過ごした。改めて、合掌。(6215)