弘前市立郷土文学館開館30周年記念、第44回企画展が始まった。これから12月28日まで、約1年間のロングランとなる。今日は、午前9時から、オープニングセレモニーが行われた。
 岩木今年のテーマは、「岩木山と文学」。これまでは、弘前縁の作家個々の企画展が主だったが、今回のように作家横断型のものは珍しい。新鮮さを感じる。
 明治以来、あまたの文人が津軽を訪れ、その誰もが岩木山の美しさに目を奪われ、作品の中に表している。ざっと名を挙げれば、幸田露伴、田山花袋、徳富蘆花、谷﨑潤一郎、森鴎外、与謝野晶子、安岡章太郎、司馬遼太郎等々、日本文学史の教科書に出てくるような大作家達だ。
 また、弘前に縁のある作家も、故郷の山 岩木山には、格別の思いを抱いている。それぞれの作品からは、その思いを読み取ることができる。
 今回の企画展は、そのような作家の見た岩木山を一堂に集めたものだ。写真、絵画、映像と共に、見ごたえのある展示となっている。
 冒頭、紹介されているのが、「どこからも岩木山見え花りんご」という増田手古奈の俳句である。そうなのだ。弘前・津軽地方は、まさしくどこからでも岩木山が見える。その姿は、見る位置によって違うけれど、皆が、自分の村から見えるい岩木山が一番だと思っている。決して譲らない。そこにもまた、津軽の人々の情張り精神が洗われているような感もする。
 かつて、青年会議所時代、津軽一円のまちづくり団体が集まって「津軽を語り合う会」という催しを主催したことがある。その際、”津軽”の定義というか範囲が話題となった。誰かが、「岩木山の見える範囲が津軽だ」と言った。確かに、青森市からも十三個からも岩木山は見える。僕は妙に納得をしてしまった。
 つい先日、その話を某居酒屋でした。そうしたらカウンターの隣に座っていた客が、「秋田県からも岩木山が見える」と言い始めた。「だったら秋田県も津軽なんですかね」と二人で盛り上がった。
 と、酒席であろうがなんであろうが、僕らはいつでも岩木山の話をしている。岩木山は、津軽人の心の象徴と言ってもいい。
 そんな岩木山を、名だたる文学者がどのように表現しているのかを特集した企画展だ。是非、このブログの読者の皆様にも、ご覧いただきたい。現在、郷土文学館一帯は、足場とシートに覆われているが、中には平常通り入ることが出来る。お気軽にお立ち寄り下さいませ。(5762)

 追伸
 文学館のオープニングセレモニーの後、弘前市の成人式に出席した。今日と明日は、新成人の皆様のために、博物館と高岡の森歴史館を無料にするといったアナウンスがあった。それはとてもいいことである。
 でも、だったら、せっかく今日から企画展が始まった郷土文学館も、無料で開放して欲しかった。成人式の会場とは目と鼻の先なのだから。。
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