弘前公園内にある緑の相談所で行われた会議に出席した。窓から見える、晩秋の、いや初冬の木々が、喩えようもなく、風情に溢れていた。
 会議は、弥生いこいの広場隣接地の活用について。この秋に行った自然観察会の反省会が主たるテーマであったが、後半は、今後の市の姿勢について、意見が交された。
 この土地のことは、これまでも数回、当ブログでも紹介してきた
 三セクによるスキー場開発のため、広大な森林を剥がし取った岩木山の中腹を、市は三セクの経営破綻後、約6億円もの大金で買い取った。その後発表された大型児童館建設計画も中に浮いたまま、当時の市長選の大きな争点となり、結局、開発は白紙に戻された。それが2006年。
 2009年には、その跡地の利活用について、市と弘前大学との共同研究が行われ、立派な報告書も出来上がった。僕は、議員になってまだ間もなかったが、積極的にその研究の推進を提唱した。
 それを受けて、2012年には、地元住民や岩木山に深く 関係している人も加えて、市民懇談会が開かれた。僕は、オブザーバーとして顔を出させてもらった。数回に及ぶその懇談会でも、実現可能な絵が描かれ、報告書という形で提言された。
 それから8年。ほとんどと言っていいくらい、何も進展していない。わずかに、この土地で民間団体が主催してきた、春と秋の自然観察会を、ここ数年は、市が主催して行うようになったくらいだ。根本的な利活用案については、いまだ先が見えていない。
 そうしているうちに、木々や桑花は、見事に回復した。それはそれで素晴らしいことではある。
 だけど、普通に考えれば、どうにも理解しがたい。例えば、市の税収は約200億円。土地購入等にかかった費用が約6億円なので、単純に計算すれば約3%となる。これは、仮に年収400万円の家庭だと12万円に相当する。12万円も出して購入した電動自転車を、物置に入れたままで、埃まみれにしっ放しというのは、一般家庭ではまず考えられない。
 僕の考えは、子どもたちの自然体験に利用することはもとより、一旦は削り取られてしまった森林がが蘇生していく様子を、目のあたりに出来る場として活用していくことだ。
 原野を根拠も曖昧なまま6億円で購入したマイナスと、経済優先で自然を破壊したマイナス。その人間の愚かな所業を後世に伝える森として再生できれば、(-)✕(-)=(+)とはならないものだろうか。いずれにせよ、このまま”負の遺産”として放置しておいては勿体ない。(8018)