岩木山は、僕らのシンボルである。かつて、夜行列車で東京と往復をしていた頃、朝起きて、岩木山が見えてくれば、「ああ、弘前に帰ってきたなぁ感じたものだった。今でも、例えば遠出のドライブをして、帰り道から見える岩木山は、格別に感慨深い。手前味噌と言われようが、自画自賛と言われようが、山頂が象形文字の”山”そのもののように3つに分れ、山裾を大きく広げたその姿は、美しさでは日本一だと思っている。 
 今日の一般質問で、その岩木山観光についてを採り上げた議員がいた。市長も、積極的に活用したいと答えていた。
 岩木山確かに、さっきも言ったように、岩木山は、その遠くから眺める姿だけでも、立派な観光の目玉になり得ると思う。左は、今日の夕刻、岩木庁舎から撮影したものである。写真が下手でごめんなさい。撮る人が撮れば、その美しさを鮮明に切り取ることができるに違いない。
 さらに、山麓まで足を延ばせば、百沢温泉や嶽温泉等の名湯。岩木山神社や高照神社といった国の重要文化財。高照神社の隣には、津軽家の秘宝を展示した「高岡の森 弘前藩歴史館」もある。つい先日は、やはり山麓にある「大森勝山遺跡」がUNESCO世界遺産に登録された。弥生には、青森県唯一の動物園もある。
 そんな建物や施設ばかりではない。山そのものが魅力に溢れている。標高は1625メートルと高くはないが、登山愛好者にとっても、それなりに登り甲斐のあるコースが複数ある。他人事ではなく、僕は高校時代、山岳部に入っていて、岩木山はホームがラウンドだった。今は、3階以上の階段を上るのでさえ億劫だ。随分と衰えたものである。
 話しがそれた。山頂からの眺望が素晴らしい。何せ単独峰だ。青森県内では最高峰でもある。周囲には視界を遮るものは何もない。まさに360度に広がる大パノラマを満喫することができる。
 かつて、弘前青年会議所に在席したいた頃、弘前だけでなく、周辺の市町村の”まちおこし”団体と、「津軽を語り合う会」なる会議を主催していた。広域での地域振興を図ろうというものだ。
 その中で、「津軽って、一体、どこからどこまでだ?」という話題が出た。誰かが、「岩木山が見える範囲だ」と言った。なるほど、それはわかりやすい。僕は即座に、はたと膝を叩いた。
 数年前、その話を、行きつけの飲み屋で得意げに喋っていたら、カウンターの隣りに座っていた、秋田から来たというお客様が、「秋田県からも岩木山は見える」と話しかけてきた。「だったら、秋田県も津軽だ」なんて返しながら、大いに盛り上がったものだった。
 岩木山を、観光資源として活用することに異論は無い。もっともっと多くの人に、この山の魅力を知ってもらいたい。
 ただ、無闇に手を加えて、貴重な生態系を破壊するような真似だけはしてほしくない。また、弘前からでも、他の市町村からでも、「岩木山の見える風景」を大切にして貰いたいと、切に願う次第である。(4803)