今日は、弘前読書人倶楽部に、東京からのお客様。以前にも2度ブックトークをしていただいたKaさんだ。
 Kaさんは、カンボジアの開発途上地域に、図書館を開設する活動に加わっていた。東日本大震災の時は、津波で図書館が流されてしまった町に、一早く移動図書館を走らせた。”本”と深く係わってこられた人だ。前回のブックトークでは、アメリカの図書館事情について、詳しくお話をいただいた。
 もう一人。弘前大学4年生のKa君も来た。先日、地方都市の書店をテーマに卒業論文を書くと言って、僕にインタビューに来てくれた学生さんだ。彼もまた、”本”をキーワードとした街づくり・人づくりに、関心を持って取り組んでいる。
 今日は、いつものメンバーに、この2人が加わって、大いに話が盛り上がった。心なしか、普段より真面目な話題が多かったような気がする。
 弘前読書人倶楽部は、「弘前初の会員制私設図書室」と銘打っている。でも、単に、本の貸出しが目的ではない。
 本好きな人の交流の場、誰からともなく集まって、何と言うこともなく語り合う場、・・・を創りたかった。日常的に、本に囲まれた空間で、親交を温め合うことができる。そういう空間を目指していた。
 10年間の活動の中で、それが少しずつではあるが、実現しているのかな、という気もする。特に今日はそれを強く感じた。
 一つのテーマで討論するというのとは違う。こちらで、僕とTa君が、中国の話や日本の国防の話をしている。向こうではKuさんがKa君に本屋の業界の話をしている。全く脈絡のない話の輪が、狭い室内で、二つ三つと出来ていく。それがまた楽しいのだ。創業当初、「大人のサロン」という呼び方もしていたが、まさに、大人の会話を楽しめる雰囲気が醸し出されている。
 そしてまた、ここから始まる出会いもある。読書人倶楽部がなければ、一生交わることもなかったろうと思われる人もたくさんいる。
 今日は、二人のゲスト、KaさんとKa君(うーむ、ややっこしい)を引き合わせることができたのが、一番嬉しかった。二人とも、”本”を、自分の趣味に留めず、地域づくりという観点で活動している。活動しようとしている。読書人倶楽部が接点となって、お互いの活動に、何かしらのプラスが生じればと思う。
 書店僕自身も、本に関することなら、二人にも出来るだけ力になりたいと願っている。今日は、Ka君の卒論の役に立てればと思い、我が家の蔵書の中から、「日本の書店100年」という本を紹介した。
 後で、Ta君から、「卒論の締切り間近の学生に、あんな分厚い本を読めというのは、拷問に近い」と窘められた。確かにそうだ。いい迷惑だったかもしれない。まぁ、僕とすれば「今泉本店」の項だけでも読んで貰えればという思いなのである。(9803)