ここ数年、大学生と話をする機会が、随分と増えた。弘前学院大学のS教授の授業で講師をさせていただいたり、弘前大学のM先生のフィールドワークに協力したりしたことがきっかけだ。
 去年も今年も、教育実習に行く学生たちから取材を受けた。「議員って普段どんな仕事をしているのか?」「市民の声はどうやって市政に反映させることができるのか?」といったテーマだった。取材を受けながら、学生さんたちが、政治や議会に対して、どういう意識を持っているのか、逆に教えられることも多かった。
 今日は、ある学生さんと、議会控室で会った。2週間ほど前に話を聞きたいとメールをいただき、同じ会派を組むTa議員と一緒に応対をした。
 彼は、「関係人口」を研究テーマに採り上げたのだそうだ。そのことについての、市民の意識を聞きたいという。日頃から「市民の声を市政に反映させます」などと公言している議員の耳に、どんな声が届いているのかに関心があったとのことだ。
 「関係人口」とは、定住とまではいかないが、観光やビジネスで訪れる所謂”交流人口”よりも更に深く、その地域に係わりを持つ人のことだ。総務省が、近年協力に進めている。国全体で人口の自然増が見込まれない現在、如何にこの”関係人口”を増やすかが、地方創生の要諦だとのことだ。
 が、市民がどのような意識を持っているかと聞かれても、実のところ、よくわからない。というよりも、そもそも、”関係人口”という言葉の意味すら、考えたことのない人の方が、圧倒的に多いのではないかと思う。
 という前提で、学生と話をした。何故、弘前大学を選んだのか? 卒業後の進路はどうするのか? などとプライベートな話を交えながら、会話は1時間半も及んだ。学生から見た弘前の魅力って何か? 反対に、弘前に不満や足りないところは何か? と、取材される側の僕らから、質問を投げかけたりもした。弘前で一定期間暮らした若者達は、たとえ弘前を離れたとしても、何よりの関係人口になり得る存在だと思うからだ。
 そんなこんなで、彼の研究テーマには、あまりお役に立てなかったかもしれない。結局は、何を以て”関係人口”と言うのか、概念も定義にも曖昧なところがあって、その曖昧さを残していることが、実は大切なことなのだという、実にファジーな結論じみたことを言ってお茶を濁した。
 このことについては、市の考え方や対応についても、公式に質問してみよう。ちょうど明日が、一般質問の通告締切り日だ。その結果は、改めて彼にも報告したいと思う。
 学生さんたちから見れば、若いTa議員は、ゼミやサークルの先輩といった年格好だ。何でも話しやすい雰囲気を持っている。
 一方僕は、退官間際の老教授のように思われてもしかたがない年齢だ。それでも、こうして訪ねてきてくれて、色々話を聞かせてもらえる。そのことが何より嬉しいし元気づけられる。
 だから、取材だろうが、インタビューだろうが、意見交換会だろうが、単なる酒盛りだろうが、学生さんたちからの申し出は大歓迎だ。出来うる限り日程を調整する。女子大生からだったら、万難を排して全てお引き受けしたい。
 ・・・って、まるで僕は、若者の生き血を吸って甦る”ドラキュラ伯爵”のようなものだ。(10826)